
TEDを英語学習に使うなら、最初に決めるのは教材そのものではなく「1本の選び方」です。
有名なトークを上から順に開いて、3分で閉じて、そのまま何週間も開かなくなる。
この止まり方は、やる気が足りないから起きているわけではありません。
TEDは難易度がそろえられた教材集ではなく講演の集まりなので、選び方を決めないまま開くと毎回が運任せになります。
速い人は本当に速く、ゆっくりな人は本当にゆっくり話していて、その差は一覧の見た目では分かりません。
同じ長さでも、専門用語が続く1本と、日常語だけで進む1本が同じ並びに混ざっている状態。
- 1本を選ぶ基準の一覧表(速さ・語彙・長さの3列)
- そのままコピーして使えるAIへの指示文5本
- 1回20分の時間配分と、7日間の回し方
- AIに任せてはいけない3つと、その代わりの確かめ方
だから最初にやることは、自分が扱える速さと語彙の範囲を決めて、そこから外れた1本は開かないと決めることです。
選ぶ基準が先で教材は後
この記事では、1本を選ぶ基準を「話す速さ」と「語彙」の2つだけに絞ります。
そのうえで、選んだ1本をAIで1回20分の教材に組み替える手順を、時間配分まで含めて置いていく。
先に、この記事で扱わないことも書いておきます。
特定のトークの再生数や公開年、アプリの機能の呼び名は一切扱いません。
TEDの画面の並びや機能名は更新で変わるため、この記事では公式ページで確かめられた範囲しか書いていません。
英単語そのものの意味の解説も、ここでの役目ではない。
選ぶ・切る・回すの3つに絞って、そのまま今日から動かせる形にしていく。
【結論】TEDの英語学習で見るのは話す速さと語彙の2つ
結論から書きます。
1本が自分に合うかどうかは、話す速さと、最初の3分に出てくる知らない語の数でほとんど決まります。
この2つは、どちらも道具なしで自分の手で数えられる数字です。
テーマの好き嫌いや登壇者の有名さは、そのあとに足す条件になる。
先にテーマで選ぶと「興味はあるのに何を言っているか分からない18分」になります。
- 1つめ=話す速さ(1分あたりの語数)
- 2つめ=最初の3分の未知語(100語に何語か)
- 3つめ以降=テーマ・登壇者・トークの長さ
逆に速さと語彙が自分の位置に近ければ、テーマが地味でも最後まで聞き通せます。
そして最後まで聞けた1本だけが、2周目と3周目の教材になる。
TEDを英語学習に使うときの成否は、この「2周目に入れるかどうか」でほぼ説明がつきます。
だから1本目の選び方に時間をかける価値がある。
速さは1分あたりの語数で測る
話す速さは、聞いた感じではなく1分あたりの語数で測ります。
TED.comにあるほぼすべてのトークには、完全な字幕と、クリックできるタイムコード付きのトランスクリプトが付いています。
つまり、本文のテキストと再生時間の両方が最初から手元にある状態です。
トランスクリプトの語数をそのトークの分数で割れば、1分あたりの語数がそのまま出る。
この計算はまるごとAIに渡してかまいません。
- トランスクリプトを全部コピーする
- AIに総語数を数えさせる
- そのトークの分数で割った値を出させる
- 自分の基準表のどの帯に入るかを見る
自分がやるのは、出てきた数字を自分の基準表と見比べるところだけです。
ここで使う数字は、TEDが公表しているものではありません。
自分で測って自分の帯を作るための目盛りだと考えてください。
語彙は最初の3分の未知語で測る
語彙は、トーク全体ではなく最初の3分だけで測ります。
最初の3分で分からない語が多すぎる1本は、残りの15分もほぼ同じ比率で分かりません。
判定は3分で切り上げて、残りの時間は聞く作業と口を動かす作業に回します。
全体を読んでから判定していると、判定そのものに時間を取られてしまう。
やり方は、トランスクリプトの冒頭3分ぶんを取り出して、知らない語に印を付けるだけです。
100語のうち何語に印が付いたかを数えて、その比率で今日やるかどうかを決めます。
捨てた1本は日付を付けて残す
比率が高すぎる1本は、実力が足りない証拠ではなく、順番があとの1本です。
3か月後に同じ1本を開くと、印の数が減っているのがそのまま進歩の記録になる。
TEDを英語学習に使う前に知っておく前提
選び方の前に、素材そのものの前提を3つだけ押さえます。
ここを知らないまま探すと、そもそも見る場所を間違えることになります。
3つとも、公式ページで確かめられる範囲の話です。
素材の出どころは1種類ではない
トークの出どころは、TEDの本会議、独立開催のTEDxイベント、提携イベント、ニューヨークのWorld Theaterでのサロンの4系統です。
登壇するのは、科学者、研究者、技術者、ビジネスリーダー、アーティスト、デザイナー、そして各分野の専門家。
つまり「TEDのトーク」と一口に言っても、開催元も話し手の職業もかなり幅があります。
この幅の広さが、難易度がそろわない直接の理由になっています。
研究者が学会寄りの言い方で話す1本と、デザイナーが図を見せながら話す1本では、必要な語彙がまったく違う。
- 本会議=準備が長く、話の構成が整っている
- TEDxイベント=話し手の幅がいちばん広い
- 提携イベント=テーマが業界寄りになりやすい
- サロン=1本の長さが短いものが混ざる
だから「TEDは難しい」も「TEDは簡単」も、どちらも言い方として粗すぎます。
判定は必ず1本ごとにやってください。
字幕とトランスクリプトは公式が用意
字幕とトランスクリプトは、TED.comに置かれているほぼ全部のトークに最初から付いています。
英語学習の道具として見たとき、これがいちばん大きい条件です。
音声だけの素材と違って、聞き取れなかった箇所を文字で確かめるところまで、追加の道具なしで完結します。
ただし、字幕が何言語に対応しているかは公式ページから読み取れません。
翻訳については、TED Translatorsというプログラムが公式ページに挙がっているだけです。
- 自分が使いたい言語の字幕があるか=実際の画面で確認してください
- トランスクリプトが画面のどこに出るか=実際の画面で確認してください
- アプリの機能の呼び名=実際の画面で確認してください
この3つは公式ページに書かれていないので、この記事では断定しません。
手元の画面で見たものだけを信じてください。
TED-Edは教材化まで公式がやっている
TEDには、TED-Edという別の入口があります。
TED-Edは、教科と年齢で整理された動画ベースのレッスンです。
さらに、TED-Edのアニメーション、TED Talk、YouTube動画のどれかを使って、自分でレッスンを組み立てることもできます。
テーマ別にまとめられたコレクションも公式ページに載っている。
他団体と共同で作った対話型のツールは、Explorationsという名前で紹介されています。
生徒が自分の考えを発表するStudent Talks、教員向けのEducator Talksも同じページに並んでいました。
| 入口 | 公式ページで確かめられること | 英語学習での使いどころ |
|---|---|---|
| TED Talks | ほぼ全トークに完全な字幕とタイムコード付きトランスクリプト | 1本を選んで3周する本体 |
| TED-Ed | 教科と年齢で整理された動画ベースのレッスン | 難易度の目印がほしいとき |
| TED-Edのレッスン作成 | アニメーション・TED Talk・YouTube動画からレッスンを組める | 同じ素材を作業に変えたいとき |
| コレクション | テーマ別にまとめられたレッスン群 | 同じテーマで語彙を固めたいとき |
英語学習の素材としては、年齢で整理されている点がそのまま難易度の目印になります。
画面の操作手順は公式ページから読み取れないので、実際の画面で確認してください。
TEDの英語学習でつまずく3つの原因
続かない理由は、だいたい次の3つに整理できます。
自分がどれで止まっているかを決めてから、あとの手順を選んでください。
3つとも、直し方は1つだけです。
難しい1本を最後まで流す
いちばん多いのがこれです。
分からないまま18分を流しても、耳に残るのは「分からなかった」という記憶だけになります。
分からない18分は0分と同じ
聞き取れない箇所が多すぎると、脳は音の切れ目を拾う作業をやめてしまいます。
そうなると、流している時間は英語学習ではなく、ただの再生時間になる。
- 最後まで流せたかどうかで評価しない
- 何語を拾えたかだけで評価する
- 拾えた語が数えられないほど少なければ替える
拾えた語が4語以下なら、その1本は今日の教材ではありません。
速さを1段下げた別の1本に替えてください。
字幕を最初からずっと出す
2つめは、字幕を出したまま最後まで見てしまうことです。
字幕があれば内容は分かります。
ただし、そのとき動いているのは目で、耳はほとんど仕事をしていません。
字幕は「聞いたあとに答え合わせをする道具」として使うと、同じ1本で2回ぶんの練習ができます。
- 1周目=音だけで聞く
- 2周目=トランスクリプトで答え合わせ
- 3周目=もう一度音だけで聞く
聞き取れない原因を音・語彙・文法・速度の4つに切り分ける手順は、英語のリスニングにAIを使う手順の記事にまとめています。↓

この順番を崩すと、何周しても聞き取れる量が増えにくくなります。
原因が分からないまま周回を増やすのは、いちばん時間が溶ける進め方です。
1本を1回で終わらせる
3つめは、1本を1回見ただけで次のトークに行ってしまうことです。
新しいトークを毎回開くと、毎回いちばん負荷の高い「初見の18分」をやることになります。
初見は負荷が高いので、拾える語の数は毎回同じくらいしか増えません。
同じ1本を3周すると、2周目からは内容が分かっている状態で音に集中できる。
- 1周目=音だけで拾えた語を書き出す
- 2周目=トランスクリプトで答え合わせ
- 3周目=自分の言葉で要約を書く
3周目に入ると、自分が何を聞き取れていなかったのかが具体的な語の形で見えてきます。
ここまで来た1本だけが、語彙も発音もまとめて持って帰れる教材になる。
新しい1本は、3周が終わってから開いてください。
TEDの英語学習で1本を選ぶ基準の一覧表
ここが記事の中核です。
速さ・語彙・長さの3列で、今日の1本を決めます。
以下のとおりに、左の帯から順に上げていきます。
| 帯 | 1分あたりの語数の目安 | 最初の3分の未知語 | 選ぶ長さ | この帯でやること |
|---|---|---|---|---|
| 入門 | 120語まで | 100語に5語まで | 6分以内 | 音だけで筋が追えるかを見る |
| 基礎 | 120〜140語 | 100語に8語まで | 6〜10分 | トランスクリプトで答え合わせ |
| 実用 | 140〜160語 | 100語に12語まで | 10〜15分 | 要約を自分の言葉で作る |
| 上級 | 160語以上 | 100語に15語以上 | 15分以上 | 言い換えと反論まで作る |
この数字はTEDが公表しているものではなく、自分の帯を決めるための目盛りです。
大事なのは数字そのものではなく、毎回同じ測り方で測ること。
速さと語彙と長さの3列で見る
3列を同時に見るのは、どれか1つだけでは判定を外すからです。
速さが合っていても未知語が多ければ、読む作業に飲まれます。
未知語が少なくても長すぎれば、3周が終わらないまま次の週に入ります。
だから3列そろって帯に入る1本だけを選んでください。
測り方が同じなら、3か月後の自分と比べられる。
借り物の基準では、その比較ができません。
未知語率で今日やるかを振り分ける
未知語の数は、そのまま今日の作業内容を決めます。
100語に5語までなら、音だけで通してかまいません。
8語までなら、1周目は音だけ、2周目にトランスクリプトを開く形にします。
100語に12語を超えると、読む作業のほうが重くなって、聞く練習になりません。
- 5語まで=音だけで3周する
- 8語まで=2周目からトランスクリプトを開く
- 12語まで=先に語彙を10語だけ固める
- 13語以上=日を替えるか短い1本に替える
替えること自体は失敗ではない。
むしろ、替える判断ができるかどうかが、この方法のいちばんの要点です。
長さは3周できるかで決める
長さは、トークの分数ではなく「3周できるか」で決めます。
TED公式が編集の話で例に出している長さは18分で、これが1本の目安。
ただし18分を3周すると、それだけで54分かかります。
1回20分で回すなら、最初に選ぶのは6分から10分の1本です。
短い1本を3周したほうが、長い1本を1周するより持ち帰る量が多くなる。
- 6分以内=1回20分で3周まで入る
- 6〜10分=2日に分けて3周する
- 10〜15分=3日に分けて3周する
- 15分以上=5分ずつの章に切ってから3周する
15分を超える1本は、章に切ってから扱ってください。
章に切れば、長さは実質的に選び直せます。
TEDを英語学習に使う1回20分の手順
選んだ1本を、1回20分に収めます。
配分は3分・5分・7分・5分の4つです。
| 時間 | やること | 使うもの | 終わりの合図 |
|---|---|---|---|
| 3分 | 1本を選んで速さと未知語を測る | AIとトランスクリプト | 帯が決まる |
| 5分 | 音だけで通す | 音声のみ | 拾えた語を書き出す |
| 7分 | トランスクリプトと突き合わせる | トランスクリプト | 未知語が10語以内に絞れる |
| 5分 | 口に出す | 音声と自分の声 | 同じ速さで言えた箇所が出る |
20分に収める理由は、3周を同じ日にやり切れる形にするためです。
40分の作業は、平日には続きません。
3分で選ぶ
最初の3分は、選ぶことだけに使います。
トランスクリプトの冒頭3分ぶんをAIに渡して、語数と未知語の候補を出させる。
帯から外れていたら、この3分のうちに別の1本へ替えてください。
ここで無理に決めてしまうと、残りの17分が全部むだになります。
選び直しは1日に2回までと決めておくと、探すこと自体が目的になりません。
5分で音だけ通す
次の5分は、字幕もトランスクリプトも閉じて音だけで通します。
目的は内容を理解することではありません。
拾えた語を書き出すことだけが目的です。
書き出せた語が10語を超えていれば、その1本は今日の教材として成立しています。
5語以下なら、速さを1段下げた1本に替える。
- 聞きながらメモは取らない
- 終わってから思い出して書く
- つづりが分からない語は音のまま書く
- 書けた数だけを記録する
音のまま書いた語は、次の7分でつづりを確かめます。
この「音のまま書いた語」が、自分の弱点の一次資料になる。
7分でトランスクリプトと突き合わせる
7分は、書き出した語とトランスクリプトを突き合わせる時間です。
音のまま書いた語が、本当は何という語だったのかを1つずつ確かめます。
ここで出てくる「知っていたのに聞き取れなかった語」が、いちばん伸びる材料です。
知らなかった語と、知っていたのに聞けなかった語は、分けて記録してください。
- 知らなかった語=語彙の問題として10語まで覚える
- 知っていたのに聞けなかった語=音の問題として口に出す
- つづりを取り違えた語=音の問題に入れる
前者は語彙の問題で、後者は音の問題です。
直し方がまったく違うので、同じ欄に混ぜると手が打てなくなる。
7分で終わらなければ、残りは次の日に回してかまいません。
5分で口に出す
最後の5分は、実際に口を動かす時間です。
トランスクリプトを見ながら、同じ速さで言えるかを試します。
同じ速さで言えない箇所は、聞き取れない箇所とほぼ一致します。
だから口に出す作業は、発音の練習であると同時に聞き取りの診断でもある。
- トランスクリプトを見ながら言う
- 言えなかった箇所に印を付ける
- その箇所だけを3回言い直す
音を追いかけて口を動かす手順そのものは、シャドーイングにAIを使うやり方の記事で1回15分の形にまとめています。↓

5分のうち、最後の1分は録音に使ってください。
自分の声を聞き直すと、元の音との速さの差がいちばんはっきり出ます。
TEDの英語学習でAIに渡す指示文5本
ここからは、そのままコピーして使える指示文を5本置きます。
OpenAIの公式ドキュメントが挙げている要点は、関連する情報をプロンプトに足すこと、入力と出力の例をいくつか入れること、Markdownの見出しやリストやXMLタグで論理的な境界を作ることの3つです。
下の5本は、その3つをそのまま形にしたものです。
見出しと区切り記号を消さずに使ってください。
難易度を測らせる指示文
1本目は、選ぶための指示文です。
あなたは英語学習者のための教材選定の担当者です。
これから英語のトランスクリプトを渡します。
次の5つだけを日本語で出してください。
1 総語数
2 1分あたりの語数(総語数を私が指定する分数で割った値)
3 冒頭3分ぶんの語数
4 冒頭3分に出てくる、中学と高校の範囲を超える語のリスト
5 4のリストが冒頭3分の語数の何パーセントかの値
解説や感想は書かないでください。
数字とリストだけを出してください。
トランスクリプトは以下です。
---
(ここにトランスクリプトを貼る)
---
分数は自分で伝えます。
解説を禁止する1行を必ず残してください。
この1行がないと、AIはトークの内容の説明を始めてしまいます。
測ってほしいだけのときは、出力する項目を番号で固定するのがいちばん確実です。
要約と質問を作らせる指示文
2本目は、聞く前に使う指示文です。
あなたは英語のリスニング教材を作る担当者です。
これから英語のトランスクリプトを渡します。
次の2つを出してください。
1 全体を英語100語以内で要約したもの
2 音声を1回聞いただけで答えられる英語の質問を5問
質問は、固有名詞と数字を聞き取れたかが分かる形にしてください。
答えはまだ書かないでください。
質問のあとに「ANSWERS」という見出しを付けて、その下に答えを置いてください。
トランスクリプトは以下です。
---
(ここにトランスクリプトを貼る)
---
答えを見出しで分けさせるのが要点です。
同じ画面に答えが並んでいると、聞く前に目が拾ってしまいます。
質問は5問で足ります。
10問作らせると、答え合わせだけで7分が終わってしまう。
未知語を絞らせる指示文
3本目は、覚える語を絞るための指示文です。
あなたは英語の語彙選定の担当者です。
これから英語のトランスクリプトと、私が聞き取れなかった語のメモを渡します。
次の3つに分類して、表で出してください。
A このトークの理解に必要で、ほかの場面でも使う語
B このトークの理解に必要だが、このテーマ専用の語
C 覚えなくても筋が追える語
Aは10語まで、Bは5語まで、Cは語数だけ書いてください。
各語には、そのトークの中での使われ方を英語のまま1行で添えてください。
日本語訳は付けないでください。
トランスクリプトとメモは以下です。
---
(ここにトランスクリプトと自分のメモを貼る)
---
日本語訳を止めているのは、訳を読んで終わるのを防ぐためです。
覚えるのはAの10語だけにしてください。
Bはそのトークの中だけで通じればよく、Cは数だけ記録します。
この絞り込みをやらないと、1本から50語以上の候補が出てきて、結局どれも覚えません。
言い換えを作らせる指示文
4本目は、覚えた語を使える形にするための指示文です。
あなたは英語の言い換えを作る担当者です。
これから、私がこのトークから覚えると決めた語のリストを渡します。
各語について、次の3つを出してください。
1 その語を使った、トークの内容とは関係ない短い英文
2 同じ内容を、その語を使わずに言い換えた英文
3 1と2のどちらが口に出しやすいかの一言
英文はどちらも15語以内にしてください。
文法の解説は書かないでください。
リストは以下です。
---
(ここに覚えると決めた語を貼る)
---
トークと関係ない文を作らせるのが要点です。
同じ文脈で覚えた語は、その文脈から出ると使えなくなります。
言い換えを並べて置くのは、自分が言える側の表現を確かめるため。
そして、言えないほうの表現を覚えます。
自分の要約を採点させる指示文
5本目は、3周目の終わりに使う指示文です。
あなたは英語の要約を採点する担当者です。
これから、英語のトランスクリプトと、私が英語で書いた要約を渡します。
次の3つを出してください。
1 私の要約に入っていて、トークにも入っている要点のリスト
2 トークに入っているのに、私の要約に入っていない要点のリスト
3 私の要約にあるが、トークには書かれていない内容のリスト
3が1つでもあれば、どの部分をそう読み違えたかを引用して示してください。
文法や語の選び方の指摘はしないでください。
トランスクリプトと私の要約は以下です。
---
(ここにトランスクリプトと自分の英語の要約を貼る)
---
3番が、この指示文でいちばん重要な項目です。
聞き取れなかった箇所を自分の推測で埋めていることは、指摘されないと気づけません。
文法の指摘を止めているのは、直す対象を1回に1つだけ残すためです。
語の選び方は、4本目の指示文でまとめて扱います。
TEDの英語学習で判定と使い分けをする手順
1本を回したら、残すか捨てるかを決めてください。
判定を入れないと、教材が増え続けて手がつかなくなります。
判定は20分が終わった直後にやってください。
1回目で残す・捨てるを決める
1回目の20分が終わった時点で判定します。
基準は、拾えた語の数と、未知語を10語以内に絞れたかどうかの2つです。
| 1回目の結果 | 判定 | 次にやること |
|---|---|---|
| 拾えた語が10語以上・未知語10語以内 | 残す | 翌日に2周目 |
| 拾えた語が10語以上・未知語が11語以上 | 残す | 語彙を先に固めてから2周目 |
| 拾えた語が5〜9語 | 保留 | 同じテーマの短い1本を先にやる |
| 拾えた語が4語以下 | 捨てる | 速さを1段下げた1本に替える |
捨てる判定は、その1本をリストから消すことではありません。
順番があとになるだけなので、日付を付けて残しておきます。
同じ1本を3か月後に開いたときの差が、いちばん分かりやすい記録になる。
2回目で伸びたかを見る
2回目は、同じ1本を同じ手順でやります。
見るのは、拾えた語が増えたかどうかだけ。
比べる相手は前回の自分だけにしてください。
増えていれば、そのまま3周目に進みます。
増えていないときは、周回ではなく音の切り分けが足りていない可能性が高い。
- 増えた=3周目に進む
- 変わらない=リスニングの切り分けに戻る
- 減った=速さを1段下げる
2回目で増えない1本を3回やっても、たいてい増えません。
同じことを繰り返す前に、自分が何を測っていたかを確かめてください。
目的別に素材を入れ替える
TEDだけで全部をまかなう必要はありません。
目的によっては、別の素材のほうが早く届きます。
- 時事の語彙を増やしたい=ニュース記事のほうが密度が高い
- 日常会話の言い回しがほしい=ドラマのほうが台詞が短い
- 発表の型を覚えたい=TEDがそのまま見本になる
- 年齢で難易度を選びたい=TED-Edのほうが整理されている
時事の語彙を1本15分で拾う手順は、英語ニュースで勉強する方法の記事に分けて書いています。↓

素材を混ぜるのではなく、週の中で日を分けて割り当てるのが実務的です。
同じ日に2種類やると、どちらの効果だったのかが分からなくなります。
割り当ては週のはじめに決めて、途中で入れ替えないでください。
TEDの英語学習でAIに任せてはいけない3つ
AIに渡していい仕事と、渡してはいけない仕事があります。
線を引いておかないと、確かめていないことをそのまま覚えてしまいます。
任せてよいのは、トランスクリプトの加工だけです。
トークの事実関係の確認
トークの中で語られている研究や数字の正しさは、AIに聞いても確かめられません。
要約はできますが、その内容が事実かどうかの判定は別の仕事です。
要約が正しいことと、その内容が正しいことは、まったく別の話になります。
英語学習の目的でトークを使うなら、内容の真偽は脇に置いてかまいません。
ただし、覚えた表現をそのまま人に話すときは、中身の出どころを自分で確かめてください。
トークは講演であって、査読された文献ではない。
この区別をつけておけば、素材としては安心して使えます。
自分の発音の最終判断
録音を文字にする作業は、AIに任せられます。
ただし、その文字起こしが自分の発音の採点そのものではありません。
文字起こしが合っていても、速さやつながりが違っていることは普通に起きます。
最後は、元の音声と自分の録音を並べて、自分の耳で比べてください。
比べる箇所は1回につき1文だけ。
- 元の音声を1文だけ聞く
- 自分の録音の同じ1文を聞く
- 違って聞こえた箇所に印を付ける
- その1文だけをもう一度録る
1文に絞ると、直った・直っていないがその場で分かります。
4文まとめて直そうとすると、どれも直りません。
TEDの画面と機能の説明
TEDの画面の並びや、機能の呼び名、字幕の対応言語の数は、AIに聞かないでください。
この記事でも、公式ページで確かめられた範囲しか書いていません。
画面と機能は更新で変わるので、AIの答えも古い情報のまま返ってくることがあります。
操作で詰まったときは、実際の画面で確認してください。
AIに聞くのは、トランスクリプトの中身を加工する仕事だけに限る。
この線を引くだけで、覚え違いはほとんど起きなくなります。
TEDの英語学習を7日間で回す組み方
1回20分を7日間でどう並べるかを決めます。
新しい1本は、週に2本までにしてください。
| 日 | 使う素材 | 20分の中身 | 記録するもの |
|---|---|---|---|
| 1日目 | 新しい1本 | 選ぶ・音だけ・突き合わせ・口に出す | 拾えた語の数 |
| 2日目 | 同じ1本 | 音だけ・突き合わせ・口に出す | 拾えた語の増減 |
| 3日目 | 同じ1本 | 音だけ・要約を書く・採点させる | 原文に無い内容の数 |
| 4日目 | 速さを1段上げた別の1本 | 選ぶ・音だけ・突き合わせ | 1分あたりの語数 |
| 5日目 | 4日目と同じ1本 | 音だけ・突き合わせ・口に出す | 拾えた語の増減 |
| 6日目 | その週に覚えた語だけ | 言い換えを作って口に出す | 言えた語の数 |
| 7日目 | 1日目の1本 | 音だけを1回 | 初日との差 |
7日目は新しいことを足さず、初日の1本をもう一度聞くだけにしてください。
ここで差が出ていれば、その週の組み方は続けてよいという判断になります。
前半3日は同じ1本
1日目から3日目は、同じ1本だけを扱います。
3日で3周する形です。
3日目に要約を書いて採点させるところまで進めば、その1本は終わりにします。
同じ1本を4日以上続けると、内容を覚えてしまって聞く練習になりません。
3周で切り上げるのは、そのためです。
覚えてしまった1本は、3か月後の測定用に日付を付けて残しておく。
中3日は速さを1段上げる
4日目と5日目は、速さを1段上げた別の1本にします。
未知語の帯は変えず、速さだけを上げる。
2つを同時に上げると、どちらがきつかったのかが分からなくなります。
上げるのは片方だけ、というのがこの組み方の骨です。
6日目は素材を使わず、その週に覚えた語だけを口に出します。
- 覚えると決めた語を10語まで並べる
- 1語ずつ、トークと関係ない文を口に出す
- 言えなかった語に印を付ける
- 印が付いた語だけを翌週に持ち越す
持ち越す語は3語までにしてください。
4語以上を持ち越すと、翌週の10語が埋まってしまいます。
7日目は測るだけ
7日目は、1日目の1本をもう一度、音だけで1回聞きます。
新しい語を覚えることも、要約を書くこともしません。
初日に拾えた語の数と、7日目に拾えた語の数を並べるだけで、その週の結果が出ます。
増えていなければ、帯の設定が高すぎた可能性が高い。
翌週は速さを1段下げて、同じ7日間をもう一度回します。
帯を下げるのは失敗ではない
帯を下げた週のほうが、拾える語の数は伸びやすくなります。
TEDの英語学習でよくある失敗と直し方
実際に止まりやすい3つと、その直し方。
どれも、やり方を1つ変えるだけで戻せます。
直すのは1回に1つだけにしてください。
長いトークから始める
15分を超える1本から始めると、3周に1時間近くかかります。
平日にこの時間は取れません。
直し方は単純で、最初の1か月は6分以内の1本しか開かないと決めることです。
短い1本で3周の形を身につけてから、長さを伸ばします。
長さを伸ばす順番は、6分、10分、15分。
いきなり18分に飛ばさないでください。
有名な1本に固執する
よく紹介されている1本を、自分の帯に合わないまま何度も開くのも、よくある止まり方です。
有名さは、聞き取りやすさとは関係がありません。
直し方は、その1本をリストの末尾に移して、日付だけ書いておくことです。
帯が上がってから開くと、同じ1本がまったく違う手応えになります。
その手応えの差が、そのまま進歩の記録になる。
だから捨てずに残してください。
AIの要約を読んで終わる
3つめは、AIに要約させて、それを読んだところで終わることです。
内容は分かるので、勉強した感覚だけは残ります。
しかし、この20分に耳と口が使われた時間は1分もありません。
直し方は、AIの出力を見る前に必ず音だけで5分通すこと。
- 音だけで5分通す
- 拾えた語を書き出す
- そのあとで初めてAIの出力を開く
- 自分のメモとAIの出力を並べて差を見る
差を見る作業が、この方法のいちばんの中身です。
順番を固定すれば、この失敗は起きなくなります。
TEDの英語学習によくある質問
最後は、よく出てくる質問への答え。
どれも、この記事の手順の中で答えが決まります。
迷ったら帯の表に戻ってください。
TEDだけで英語を学べますか?
聞く力と、発表の型を覚えるところまではTEDだけで進みます。
一方で、日常会話の短いやりとりや時事の語彙は、密度が足りません。
TEDは「まとまった話を聞いて、まとまった話をする」練習に向いた素材です。
- TEDで届く=長い話を聞く力・発表の型・分野の語彙
- TEDでは足りない=短いやりとり・時事の語彙・くだけた言い回し
短いやりとりの練習は、別の素材で日を分けて足してください。
字幕は日本語と英語のどちらを出しますか?
1周目は、どちらも出さないでください。
2周目に英語のトランスクリプトを開きます。
日本語は、英語のトランスクリプトを読んでも筋が取れなかったときだけ使います。
- 1周目=字幕もトランスクリプトも閉じる
- 2周目=英語のトランスクリプトだけ開く
- 3周目=もう一度閉じて音だけで聞く
なお、字幕が何言語に対応しているかは公式ページから読み取れないので、実際の画面で確認してください。
1日1本を毎日見るべきですか?
毎日新しい1本を開く必要はありません。
この記事の組み方では、新しい1本は週に2本までです。
同じ1本を3周するほうが、初見の1本を3本こなすより、持ち帰る語の数が増えます。
- 1週間に開く新しいトーク=2本まで
- 1本にかける周回=3周
- 20分の作業=毎日
毎日やるのは20分の作業のほうで、素材は回し続けてかまいません。
TEDとTED-Edはどう使い分けますか?
難易度の目印がほしいときはTED-Edです。
TED-Edは、教科と年齢で整理された動画ベースのレッスンだからです。
発表の型や、まとまった長さの話に慣れたいときはTED Talksを使ってください。
両方を同じ週に入れるなら、日を分けて割り当てます。
TEDの英語学習で使った参考文献
- TED Talks(TED 公式)
- TED-Ed(TED 公式)
- Prompt engineering(OpenAI 公式ドキュメント)
発表そのものを英語でやる予定があるなら、原稿と質疑の準備は別の手順になります。
TEDで覚えた型を自分の発表に使うなら、英語プレゼンの練習にAIを使う手順の記事が次の1本になります。↓

Comments