MENU

英語の仮定法の使い方をAIで練習する手順|時制をずらす理由から入る

英語の仮定法の使い方をAIで練習する手順|時制をずらす理由から入る

英語の仮定法の使い方は、型を丸暗記する入り方をすると途中で崩れます。

崩れる場所はいつも同じで、「なぜ時制を1つ後ろにずらすのか」を飛ばしたところです。

ずらすのは、過去の出来事を話すためではありません。

現実からどれだけ離れているかを、動詞の形で示すためです。

ここが入れ替わると、第1・第2・第3という番号は覚えられても、自分で1文が作れません。

この記事には、距離のものさし、if・wish・as ifの仕分け表、AIに投げる指示文6本、1回12分の手順を置きます。

現在完了と過去形の違いのような、時制そのものの話には踏み込みません。

仮定法の中だけに絞ります。

TOC

【結論】英語の仮定法の使い方は時制のずれを「現実からの距離」と読み替えるところから

英語の仮定法の使い方で最初に決めることは、話し手が「その話は現実からどれくらい遠いと思っているか」です。

遠さが決まれば、動詞の形は自動的に決まります。

逆に言うと、遠さを決めないまま書き始めるから、if節にwillを入れたりwouldを入れたりしてしまいます。

この順番で入る理由は3つあります。

1つ目は、番号(第1・第2・第3)が意味を持たない番号だからです。

「第2」と聞いても、それが何から2つ目なのかが分からないまま覚えることになります。

2つ目は、wishとas ifが番号の外に置かれることです。

距離という1本のものさしで見ると、ifもwishもas ifも同じ仕組みの上に並びます。

3つ目は、AIに練習相手をさせるときに、距離という言葉が指示文としてそのまま使えることです。

「この文の距離は0か1か2か」と聞くと、AIの答えが一般論に逃げなくなります。

「仮定法を教えて」と投げた瞬間に返ってくるのは、教科書の表の書き写しです。

それは自分の英文を1ミリも直しません。

英語の仮定法で時制を1つ後ろにずらす理由|使い方の土台はここだけ

土台になる1文は、Cambridge Dictionaryの文法解説にそのまま書かれています。

We use a past form in the conditional clause to indicate a distance from reality, rather than indicating past time.

引用:Cambridge Dictionary|Conditionals: if

過去の時間を表すためではなく、現実からの距離を表すために過去形を使います。

日本語に訳した瞬間に消えるのが、この「距離」です。

「もし雨が降ったら」と「もし雨が降ったとしたら」は、日本語では語尾がわずかに違うだけです。

英語では、動詞の形そのものが変わります。

そしてその形は、事実に基づいて決まるのではありません。

話し手の見方が形を決めます。

The verb in the conditional clause reflects the speaker’s point of view on whether the imagined situation is likely or impossible:

引用:Cambridge Dictionary|Conditionals

「ありそうか、ありえないか」を決めるのは話し手であって、客観的な確率ではありません。

だから同じ出来事について、2人の話し手が別々の形で話すことが起こります。

距離は0・1・2の3段しかない

段は3つだけです。

現在形のまま(距離0)、1つ後ろへ(距離1)、2つ後ろへ(距離2)。

次の表の英文は、すべてCambridge Dictionaryの解説ページに載っている例文です。

距離話し手の見方if節の動詞主節の形例文言外の意味
0起こりそう・ありうる現在形will / can / may / might などIf the weather improves, we’ll go for a walk.天気が良くなるのは十分ありうる
1たぶん起こらない過去形would / could / might / shouldIf the weather improved, we could go for a walk.天気が良くなるとは思っていない
2もう起こらなかった過去完了(had+過去分詞)would have + 過去分詞If the weather had improved, we could have gone for a walk.実際に天気は良くならなかった

3行とも、if節の動詞が1段ずつ後ろへ下がっているだけです。

覚えるものは「番号3つ」ではなく「下げ方3段」です。

距離を決めるのは話し手

ここが日本語話者にとっていちばん落ちにくい部分です。

距離1を選んだ時点で、話し手は「そうはならないと思っている」と相手に伝えています。

Cambridgeの解説では、第1条件文と第2条件文の差をこう並べています。

When we use the first conditional, we think the imagined situation is more likely to happen than when we use the second conditional.

引用:Cambridge Dictionary|Conditionals: if

つまり、距離1を使うと「無理だと思ってるけどね」という含みが乗ります。

提案の場面でこれを間違えると、意味は通るのに相手の反応が冷たくなります。

If you joined us, it would be great. は、誘っているようで「来ないと思うけど」を含んでしまいます。

本気で誘うなら距離0で、If you join us, it’ll be great. です。

英語の仮定法の使い方を3つに仕分ける表|if・wish・as ifの守備範囲

仮定法という名前で括られているものは、実際には3つの入口に分かれます。

ifは条件と結果、wishは「そうでなければいいのに」という後悔や願い、as ifは「〜であるかのように」という見え方です。

3つとも、距離の付け方は共通しています。

wishについて、Cambridgeの解説にはこう書かれています。

The verb forms we use in that-clauses after wish are similar to the verb forms in conditional clauses after if. We use a past verb form for present and future meanings.

引用:Cambridge Dictionary|Wish

wishのうしろの形はifと同じ、と提供元自身が書いています。

だから覚え直す必要はなく、距離のものさしを持ち込むだけで済みます。

言いたいこと使う形節の中の動詞例文
ありうる条件と、その結果if + 現在形距離0If the taxi doesn’t come soon, I’ll drive you myself.
起こりにくい条件と、その結果if + 過去形距離1If people complained, things would change.
起きなかった過去と、ありえた結果if + 過去完了距離2If I had played better, I would have won.
今がこうでなければいいのにwish + 過去形距離1I wish we had a bigger car.
あのときこうでなければよかったwish + 過去完了距離2I wish I had known Charlie was coming.
相手の行動にいらだっているwish + would—I wish you’d stop making so much noise!
丁寧に「〜したいのですが」wish + to不定詞距離なしI wish to speak to Mr Hennessy, please.
〜であるかのように見えるas if / as though事実でなくてもよいIt looks as if they’ve had a shock.

この表の8行が、日常会話で出てくる仮定法のほぼ全部です。

残りは、次の章で扱う書き言葉の形だけです。

wishの距離はifと同じ

Cambridgeの解説は、ifとwishを横に並べた対照表を置いています。

It would be good if we had a bigger car. と I wish we had a bigger car. が同じ欄に並んでいます。

もう1組は、It would be good if I knew how to use this DVD player. と I wish I knew how to use this DVD player. です。

どちらも「今の話なのに過去形」で、距離1です。

過去のことを悔やむときだけ、1段深く下げて過去完了にします。

I wish I hadn’t said that. は、言ってしまった事実があるから距離2です。

as ifは事実でなくてもよい

as ifとas thoughは、接続詞として比較に使われます。

We use as if and as though to talk about an imaginary situation or a situation that may not be true but that is likely or possible. As if is more common than as though

引用:Cambridge Dictionary|As if and as though

「真実ではないかもしれないが、ありそうな状況」まで含みます。

だからas ifのうしろは、必ずしも過去形になりません。

It looks as though you’ve not met before. のように、現在完了がそのまま来ます。

as ifを見たら反射で過去形にする、という覚え方は外れます。

ありえない見え方のときだけ、距離を1段下げます。

She felt as if all her worries had gone. は、feltの時点より前の話なので過去完了です。

なお、くだけた場面ではlikeがas ifの代わりに使われます。

解説には、It felt like it could snow at any minute. という例とともに、フォーマルな文脈では正しいとみなされないことがある、と添えられています。

英語の仮定法をAIに診断させる指示文6本|そのままコピーできる使い方

AIに向いているのは、答えが自分の書いた英文の中にある作業だけです。

「仮定法を教えて」は、答えが自分の外にあるので、返ってくるのは教科書の要約です。

下の6本は、1本目から順に使ってください。

順番を変えると、答えが総評に寄ります。

1本目:自分の英文の距離を判定させる

あなたは英文法の判定役です。
これから私が書いた英文を渡します。
次の順番で、日本語で答えてください。

1. その文が「現実からの距離」のどれに当たるか、0/1/2のいずれかで答える
   距離0 = if節が現在形・主節がwill/can/may系
   距離1 = if節が過去形・主節がwould/could/might系
   距離2 = if節が過去完了・主節がwould have + 過去分詞
2. 判定の根拠になった動詞を、if節と主節からそれぞれ1語ずつ抜き出す
3. その距離を選んだとき、聞き手に伝わる「言外の意味」を1行で書く
4. 私が伝えたい内容と距離がずれている可能性があるなら、ずれている理由だけを書く

条件
・褒め言葉と励ましは書かない
・文法用語の一般的な解説はこの回答には書かない
・判定できない文は「判定できない」と書く

私が書いた英文:
(このあとに貼り付けます)

私が伝えたかった日本語:
(このあとに貼り付けます)

4番の「ずれている理由だけ」が肝です。

ここを開けておくと、正解の英文を先に見せられてしまい、自分で直す機会が消えます。

2本目:3つの距離で書き分けさせる

これから日本語の文を1つ渡します。
同じ内容を、英語で3通り書いてください。

A. 距離0(起こりそうだと話し手が思っている版)
B. 距離1(たぶん起こらないと話し手が思っている版)
C. 距離2(もう起こらなかった版)

それぞれについて、次の3つを表にしてください。
・英文
・if節と主節で使った動詞の形(現在形/過去形/過去完了/would+原形/would have+過去分詞)
・その版を選んだときに相手が受け取る印象(1行)

条件
・3つとも主語と語彙をそろえ、動詞の形だけを変える
・A/B/Cのどれを使うべきかは書かない(私が選びます)
・解説は表の中だけに収め、表の外に文章を足さない

日本語の文:
(このあとに貼り付けます)

語彙をそろえさせるのが、この指示文のすべてです。

そろっていないと、どこが距離の差なのかが目で追えません。

3本目:if節のwillとwouldを検査

これから英文を複数渡します。
次の4点だけを検査してください。それ以外は指摘しないでください。

1. if節(条件を表す節)の中に will が入っていないか
2. if節の中に would が入っていないか
3. if節の中に would have が入っていないか
4. 主節に would / would have が正しく置かれているか

出力は次の表だけにしてください。
| 行番号 | 該当の有無 | 問題のある語 | if節の正しい形 | 主節の正しい形 |

条件
・語彙や冠詞の誤りは無視する
・丁寧な依頼の if you will / if you would(Please の意味)は「例外」と書いて区別する
・正しい文は「該当なし」とだけ書く

英文:
(このあとに貼り付けます)

3番目の「would have」を別項目にしているのには理由があります。

これは話し言葉では実際に使われていて、AIが見逃しやすいからです。

この点は、後ろの「AIの添削を正解にしない」の章でもう一度扱います。

4本目:wishとhopeの取り違えを洗う

これから英文を複数渡します。
wish と hope の使い分けだけを検査してください。

判定のルール
・これから起きてほしいこと、過去に起きていてほしかったことは hope
・今そうでないことを残念に思う、過去がそうでなければよかったと思うのは wish
・wish のうしろの節は、今のことなら過去形、過去のことなら過去完了
・相手の行動へのいらだちなら wish + would

出力は次の表だけにしてください。
| 行番号 | 使われている語 | 正しい語 | うしろの節の正しい形 | 理由(20字以内) |

条件
・語彙や語順の誤りは無視する
・wish + to不定詞(want の丁寧版)は「別用法」と書いて区別する
・正しい文は「該当なし」とだけ書く

英文:
(このあとに貼り付けます)

理由を20字以内に縛ると、AIが長い一般論を足せなくなります。

読む側の負担も、そのぶん軽くなります。

5本目:as ifとlikeを判定させる

これから英文を複数渡します。
as if / as though / like の使い方だけを見てください。

1. 使われている語を書き出す
2. うしろの節の動詞の形を書き出す(現在形/現在完了/過去形/過去完了)
3. その形で「事実に近い見え方」を表しているのか「ありえない見え方」を表しているのかを、どちらか一方で答える
4. 書き言葉として出すなら like を as if に替えるべきかを、要/不要の2択で答える

出力は表だけにしてください。
| 行番号 | 使われている語 | うしろの動詞の形 | 事実に近い/ありえない | 書き言葉での置き換え |

条件
・うしろの節を勝手に書き換えた「正解文」は出さない
・判断が割れる文は「割れる」と書き、その理由を1行で添える

英文:
(このあとに貼り付けます)

「正解文を出すな」と書いておくのが、この5本目のポイントです。

見え方の判断は、自分が何を言いたかったかにしか答えがありません。

6本目:倒置の形へ書き換えさせる

これから if で始まる英文を渡します。
フォーマルな書き言葉の形へ書き換えてください。

書き換えの候補は次の3つだけです。
A. Should + 主語 + 動詞(if + 主語 + should の代わり)
B. Had + 主語 + 過去分詞(第3条件文の if の代わり)
C. Were + 主語 + to不定詞(if + 主語 + were to の代わり)

出力は表だけにしてください。
| 元の文 | 使える形(A/B/C/なし) | 書き換えた文 | 使う場面(メール/契約書/案内文など) |

条件
・3つのどれにも当てはまらない文は「なし」と書く
・意味が変わる書き換えはしない
・話し言葉で使うべきかどうかのコメントは書かない

英文:
(このあとに貼り付けます)

6本目は、仕事のメールを書く人だけが使えば十分です。

会話で出てくることは、ほとんどありません。

英語の仮定法を1回12分で回す使い方の手順|分単位の表

1回の練習は12分で終わります。

長くするより、順番を守るほうが差になります。

時間やること使うものできていない合図
0:00〜1:30その日の題材を日本語で1文だけ決める(実際に言いたいこと)紙かメモアプリ題材が2つ以上ある
1:30〜4:00距離0・1・2の3通りを自分で書く(AIを開かない)紙かメモアプリ3通り目で手が止まる
4:00〜6:30指示文1本目で、自分の3文の距離を判定させる指示文1本目判定が自分の意図と全部一致する
6:30〜8:00指示文3本目で、if節のwill・wouldだけを検査させる指示文3本目該当なしが3行並ぶ
8:00〜10:00ずれていた1文だけを自分で書き直し、声に出して5回読む声読みながら別の語に替えている
10:00〜12:00同じ題材をwishかas ifで1文だけ言い換える紙か指示文4本目ifの文をそのまま流用している

最初の1分30秒を飛ばすと、この手順は最後まで成立しません。

題材が「実際に言いたいこと」でないと、距離を自分で決められないからです。

AIを開くのは4分後から

最初の4分は、意図的にAIを閉じています。

先に自分の答えを出しておかないと、診断する対象が存在しません。

AIに先に書かせると、出てきた英文を読んで「わかった」と感じて終わります。

この「読んでわかった」が、いちばん残らない形です。

指導の現場で見ていても、書いてから診断させた回と、先に見せられた回では、翌週の再現率がはっきり違います。

合図の列は自分を疑うため

表のいちばん右に「できていない合図」を置きました。

判定が自分の意図と全部一致したときは、題材がやさしすぎます。

その日は題材を1つ上げてから、もう一度3通り書いてください。

逆に、3通り目で手が止まるなら、距離2の作り方だけを取り出して練習します。

止まる場所は人によって違うので、そこだけを潰します。

英語の仮定法の使い方でつまずく5つの型|英語講師としての観察

ここからは、指導のなかで繰り返し見てきた崩れ方を5つ挙げます。

5つとも、距離という考え方が入っていないことから来ています。

つまずき①過去形を過去だと読む

いちばん多いのが、読むときの誤読です。

If I knew her number, I would call her. を「彼女の番号を知っていたときは」と訳してしまいます。

これは今の話で、番号を知らない、という意味です。

書けない前に、読めていないことが多いです。

直し方は単純で、主節にwouldがあるかどうかを先に見ます。

主節がwouldなら、if節の過去形は時間ではなく距離です。

つまずき②if節にwillを入れる

「もし〜するなら」が未来の話なので、willを入れたくなります。

Cambridgeの解説は、これを明示的に警告しています。

We use the modal verb in the main clause, not in the conditional clause.

引用:Cambridge Dictionary|Conditionals: if

正しい形は If a lawyer reads the document, we will see if we’ve missed anything important. で、If a lawyer will read the document … は誤りとして並べられています。

ただし、丁寧な依頼のif you willは別枠です。

If you’ll just tell Julie that her next client is here. は、条件ではなく「伝えてもらえますか」という依頼です。

つまずき③if節にwouldを入れる

②の裏返しで、距離1を出そうとしてif節にwouldを入れる崩れ方です。

正しいのは If you decided to take the exam, you would have to register by 31 March. です。

If you would decide to take the exam … は、誤りの例として挙げられています。

距離はif節の動詞の形で出し、wouldは主節に置きます。

両方にwouldを置くと、距離が二重になって意味が取れなくなります。

つまずき④wishで未来を願う

日本語の「〜だといいな」をwishに寄せると、ここで外れます。

We use hope, not wish, when we want something to happen in the future or when we want something to have happened in the past

引用:Cambridge Dictionary|Wish

正しいのは I hope the weather’s fine tomorrow. で、I wish the weather’s fine tomorrow. は誤りです。

過去についても同じで、I hope they didn’t miss their flight. がその形です。

wishは「今そうでないことを残念に思う」ときに使います。

言い換えると、wishを選んだ時点で「現実は違う」と宣言していることになります。

つまずき⑤unlessを万能だと思う

unlessは「if … not」に近い意味ですが、置ける場所が限られています。

Cambridgeの解説は、不可能な条件にはunlessを使わないと警告しています。

If the government had not raised food prices, there would not have been so many protests. は正しく、Unless the government had raised food prices … は誤りとして並んでいます。

つまり、距離2の文にunlessは入りません。

もう1つ、unlessとifを重ねる誤りも挙げられています。

We’ll go to the coast tomorrow unless it rains. が正しい形で、unless if とはしません。

オーストラリアで詰まったのは型

私は30歳・英検3級から英語をやり直した人間です。

初めての海外勤務はオーストラリアで、そこで最初に詰まったのが仮定法でした。

詰まった理由は語彙でも発音でもなく、相手が距離1で話してきたのを距離0で受け取っていたことです。

If you could send it by Friday, that would be great. と言われて、送れば喜ばれる依頼だと理解しました。

実際には、無理なら無理でいいという含みまで込みの言い方でした。

語学学校・ワーキングホリデー・大学という3つの形で留学を通りましたが、この距離の感覚だけは教室で埋まりませんでした。

埋まったのは、自分が書いた文を第三者に距離で判定してもらうようになってからです。

その作業を人に頼まずに回せるようになったのが、AIが手元に来てからの変化だと見ています。

英語の仮定法の使い方は倒置とwere toまでで一周

ここから先は、書き言葉でしか出てこない形です。

会話では使いませんが、仕事のメールや案内文では普通に現れます。

読めないと、依頼なのか条件なのかが分からなくなります。

倒置は3つの形だけ

Cambridgeの解説に挙がっているのは3つです。

  • Should + 主語 + 動詞:Should you wish to cancel your order, please contact our customer service department on 02317 6658932.(If you should wish to cancel your order … と同じ)
  • Had + 主語 + 過去分詞:Had I known you were waiting outside, I would have invited you to come in.(If I had known you were waiting outside … と同じ)
  • Were + 主語 + to不定詞:Were we to give up the fight now, it would mean the end of democracy in our country.(If we gave up the fight now … と同じ)

3つとも、ifが消えて動詞が先頭に出ているだけです。

意味は元の文と変わりません。

変わるのは、文章の堅さだけです。

were toは見込みが薄いとき

if + were to は、起こりうるが見込みは薄いと話し手が思っている場面で使われます。

If the Prime Minister were to resign, there would have to be a general election within 30 days. が解説に載っている例です。

距離で言えば1ですが、「仮にそうなったとして」という前置きが1枚多く入っています。

提案書や想定問答で、起きてほしくない事態を書くときに便利な形です。

条件を絞る言い方も同じ棚

ifの代わりに条件を絞る語も、同じ棚に並びます。

語どんな場面か例文
as long as話し言葉で条件を付けるYou can play in the living room as long as you don’t make a mess.
so long asas long as より書き言葉寄りSo long as a tiger stands still, it is invisible in the jungle.
on condition that契約や取り決めThe bank lent the company 100,000 pounds on condition that they repaid the money within six months.
providing (that)話し言葉寄りYou can get a senior citizen’s reduction providing you’ve got a railcard.
provided (that)書き言葉寄りThey may do whatever they like provided that it is within the law.
only if強い条件を付けるPayment will be made only if the work is completed on time.
supposing相手に想像させるSupposing you lost your passport, you’d have to go to the embassy, wouldn’t you?

supposingは第1・第2・第3のどれでも使えると解説に書かれています。

相手に状況を思い浮かべてもらう合図なので、距離は後ろの動詞の形が決めます。

AIの添削を英語の仮定法の正解にしない|使い方の3つの確認

AIの添削は速いですが、仮定法に関しては素通りする箇所があります。

理由は、崩れた形が現実の英語のなかで実際に使われているからです。

People do sometimes use the form with would have in informal speaking, but many speakers consider it incorrect.

引用:Cambridge Dictionary|Conditionals: if

if節のwould haveは、話し言葉では使われますが、多くの話者が誤りとみなします。

使われている以上、機械にとっては珍しい形ではありません。

だから「そのままで自然です」と返ってくることがあります。

次の3つだけは、自分の側で確認してください。

  • if節に助動詞が入っていないか:will・would・would haveの3語で自分の文を検索します。丁寧な依頼のif you will / if you wouldだけが例外です
  • 距離が自分の意図と合っているか:AIは文法の整合だけを見ます。距離1で書いた提案が相手にどう届くかは、AIの守備範囲の外です
  • 書き言葉か話し言葉かを指定したか:指定しないと、倒置もlikeも同じ扱いで通ります。メールならフォーマルと書いてから投げます

この3つを外すと、添削は通るのに相手の反応がずれる、という結果になります。

文法の誤りより、この種のずれのほうが仕事では響きます。

切り分けは1行で言えます。

形の話はAI、意図の話は自分です。

作業誰がやるか理由
if節の動詞の形を判定するAI答えが文の中にある
3つの距離で書き分けるAI語彙をそろえた並べ替えの作業
倒置へ書き換えるAI置き換えの規則が決まっている
どの距離で言うかを決める自分相手との関係と、伝えたい含みで変わる
wishかhopeかを決める自分現実をどう見ているかの表明だから
書き言葉で出すか話し言葉で出すか自分読み手が誰かを知っているのは自分だけ

下の3行をAIに投げると、返ってくるのは無難な中間の答えです。

無難な中間は、たいてい距離1です。

そして距離1は、前に書いたとおり「そうはならないと思っている」という含みを連れてきます。

英語の仮定法の使い方でやってはいけない5つ

練習の設計としてやらないほうがよいことを5つ並べます。

  • 第1・第2・第3という番号だけを先に覚える:番号は分類の名前であって、作り方の説明ではありません。距離のものさしを先に入れてから番号を貼ると、番号が索引として前に進みます
  • 例文を100個暗記する:暗記した例文は、自分が言いたい内容と主語も動詞も違います。3つの距離で同じ内容を書き分ける練習のほうが、1文あたりの学習量が多くなります
  • AIに先に英文を書かせる:読んで納得した英文は翌週に出てきません。自分の答えを先に出し、そこへ診断を当てる順番を守ります
  • 「仮定法を教えて」と投げる:この投げ方で返るのは教科書の要約です。自分の英文を添えて、判定だけをさせます
  • 会話でいきなり倒置を使う:Had I known … は書き言葉の形です。話し言葉で使うと、意味は通っても距離のある人の話し方に聞こえます

5つのうち、いちばん多いのは3番目です。

速いので、つい先にAIを開いてしまいます。

その2分を我慢できるかどうかが、この練習の成否を分けています。

英語の仮定法の使い方についてよくある質問

仮定法過去は過去の話ですか?

今のことか、これからのことです。

名前に「過去」が入っているのは、使う動詞の形が過去形だからです。

Cambridgeの解説が書いているとおり、その過去形は時間ではなく現実からの距離を示しています。

If I wereとIf I wasはどちらですか?

書き言葉ならwere、くだけた話し言葉ではwasも使われます。

Cambridgeの条件文の解説では、フォーマルな形としてif + were toやWere we to …が挙げられています。

迷ったらwereにしておくと、書き言葉でも話し言葉でも外れません。

距離1と距離2はどう見分けますか?

もう結果が出てしまったかどうかで分かれます。

まだ結果が出ていないなら距離1、すでに出ていて変えようがないなら距離2です。

If I had played better, I would have won. は試合が終わっているので距離2です。

wishのあとにwouldを使うのはどんなときですか?

相手の行動にいらだっているときです。

I wish you’d stop making so much noise! は、実際に音を立てている相手に向けた言い方です。

自分のことには使えないので、I wish I would … とは言いません。

as ifとlikeは置き換えられますか?

くだけた場面なら置き換えられます。

ただし解説には、フォーマルな文脈では必ずしも正しいとみなされない、と添えられています。

メールや提出物ではas ifにしておくのが無難です。

AIは無料のものでも足りますか?

この記事の6本の指示文は、判定と並べ替えの作業しかさせていません。

作業の難度が低いので、無料の範囲でも回せる設計にしてあります。

各サービスの無料枠の条件は変わるので、金額や上限は公式ページで確認してください。

どれくらい続ければ手が動きますか?

期間を数字で言うことはできません。

ただし、進んでいるかどうかの合図なら1つあります。

3通り書く工程で、距離2の文が最初に出てくるようになったら、ものさしが入っています。

まとめ|英語の仮定法の使い方は距離の話から

時制を1つ後ろにずらすのは、過去を語るためではなく、現実からの距離を出すためです。

この1行が入ると、if・wish・as ifが同じ仕組みの上に並びます。

そして距離を決めるのは、確率ではなく話し手です。

だからこそ、AIに決めさせてはいけない部分が残ります。

AIに渡すのは、形の判定と、語彙をそろえた書き分けだけです。

今日やることは1つで、言いたい日本語を1文決めて、距離0・1・2で3通り書いてみることです。

書けたら、1本目の指示文をそのままコピーして判定させてください。

自分の意図と判定がずれた1文が、その日の教材です。

書き分けた仮定法の3文を声に出す段階まで来たら、発音を音ごとに採点してくれるアプリを1つ持っておくと、自分では気づきにくい音のずれが点数で見えます。

\1分で登録/

自分の弱い音が一覧で出る

日本語話者がつまずく音から並ぶ

この記事の情報の取り方

  • 条件文・wish・as if の定義と例文は、2026年9月21日にCambridge Dictionaryの文法ページを直接取得して読みました
  • 英語の引用は、取得した時点のページにあった表記をそのまま写しています
  • 表に入れた英文は、すべて同ページの例文で、私が作った英文は含めていません
  • 各AIサービスの料金・無料枠は、料金ページの本文を実測できなかったので数字を書いていません
  • 習得にかかる期間や上達率の数値は、一次資料に自分で当たれなかったので1件も書いていません
  • if I were と if I was の使用頻度の比較は、コーパスの数字を実測できなかったため入れていません
Let's share this post !

Author of this article

Comments

To comment

TOC