
英語のリスニング教材の選び方で迷う人は、教材の中身ではなく評判を見ています。
評判は、その教材が「書いた人の耳」に合っていたという記録でしかありません。
合うか合わないかを決めているのは、たった2つの数字です。
1分あたりの語数(wpm)と、自分が知らない語の割合(未知語率)です。
この2つは、台本を60秒ぶんAIに渡すだけで、その場で数字として出ます。
この記事に置くのは、測り方・速度の判定表・語彙の判定表・早見表・指示文7本・15分の手順です。
教材のおすすめランキングは扱いません。
ランキングは半年で古くなりますが、判定の基準は古くならないからです。
【結論】英語のリスニング教材の選び方は速度と未知語率の2つで絞り込み
順番は1つだけです。
先に自分の素材を測り、帯に当てはめ、それから教材の名前を決めます。
名前から入ると、合わなかったときに何を直せばいいのかが分かりません。
理由は3つあります。
1つ目は、聞き取れない原因が「速すぎる」と「知らない語が多すぎる」で正反対の手当てになることです。
速さが原因の人が語彙の教材を買うと、易しい単語をゆっくり聞き直すだけの時間になります。
2つ目は、この2つがどちらも数えられる数字だということです。
「難しかった」という感想は比べられませんが、165wpm・未知語率6.2%なら来週と比べられます。
3つ目は、数字が出た瞬間に、教材を変えずに直せる場合があると分かることです。
再生速度を0.75倍にするか、未知語を10語だけ先に潰すかの2つです。
どちらか片方だけで、帯が1つ動きます。
つまり、買い替えが必要なケースは、思っているより少ないということです。
そして、測る作業そのものはAIに渡せます。
語を数える、未知語の出現回数を数える、割り算をする。
どれも人の手でやると時間だけが溶ける作業です。
この記事では、その作業だけをAIに切り出して渡します。
英語のリスニング教材の選び方で最初に測る2つの数字
必要なものは、候補の素材から切り出した60秒ぶんの音声と、その台本だけです。
台本が手に入らない素材は、この段階で候補から外してください。
測れない素材は、合っているかどうかを最後まで判断できないままになります。
| 測るもの | 何を数えるか | 手でやる場合 | AIに渡す場合 | 出てくる数字 |
|---|---|---|---|---|
| 速度 | 1分あたりの語数 | 60秒ぶんの台本の語数をそのまま数える | 指示文①に台本と秒数を貼る | wpm(整数) |
| 語彙 | 自分が知らない語の延べ回数の割合 | 台本の未知語に印を付け、総語数で割る | 指示文②に台本と未知語リストを貼る | 未知語率(%・小数第1位) |
測り方①1分の語数を数える
60秒きっかりで切れない素材のほうが多いので、割り算で出します。
総語数 ÷ 秒数 × 60 が wpm です。
45秒で120語なら、120÷45×60で160wpmになります。
数える範囲は、話し手が黙っている時間も含めた実時間です。
間が多い素材は、同じ語数でも体感がずっと楽になります。
機械で正確に出したい場合は、書き起こしの語単位のタイムスタンプを使う方法があります。
whisper-1 で timestamp_granularities に word を指定すると、語ごとのタイムスタンプが返ります(OpenAI公式ドキュメント「Speech to text」)。
語数と最後の語の終了時刻が分かれば、wpmは割り算だけで出ます。
測り方②未知語の割合を出す
未知語率は、種類の数ではなく延べ回数で数えます。
同じ知らない語が5回出る素材は、5回ぶん意味が途切れるからです。
台本を黙読して、意味が取れない語だけに印を付けてください。
ここで大事なのは、黙読で取れるかどうかで判断することです。
黙読しても意味が取れない素材は、リスニングの問題ではなく読解の問題です。
その場合は、音を何回聞いても意味は出てきません。
逆に、黙読なら一瞬で分かる素材が聞き取れないなら、原因は速度か音の変化です。
この切り分けを先にやると、教材選びの選択肢が半分に減ります。
英語のリスニング教材を速度(wpm)で絞る判定表
帯は5つあります。
自分の素材がどこに入るかだけを見てください。
この表は、素材そのものの良し悪しを決める表ではありません。
同じ素材でも、再生速度を変えれば入る帯が変わります。
| wpmの帯 | 聞こえ方 | 向く使い方 | 採用してよい条件 | 外れたときの操作 |
|---|---|---|---|---|
| 110未満 | 一語ずつ置きにくる | 音の変化の確認・語彙の入れ替え | 2回聞いて8割書き取れないとき | 取れすぎるなら1.25倍で同じ素材を使う |
| 110〜140 | 落ち着いた説明の速さ | 書き取り・精聴の土台づくり | 迷ったらこの帯から始める | 崩れるなら0.75倍に落とす |
| 140〜170 | 一般向けのナレーションの速さ | 意味を追いかける練習・多聴 | 未知語率が5%未満のとき | 語尾が消えるなら0.9倍にする |
| 170〜200 | 会話が重なって進む速さ | 反応の速さを上げる練習 | 140〜170の帯が3日安定してから | 1つ下の帯へ戻す |
| 200以上 | 早口の雑談や実況 | 今の力を確かめるだけ | 教材としては採用しない | 台本を読む素材として使う |
この帯は、あなたが測った数字を仕分けるための線です。
特定の番組や教材が何wpmかを断定した表ではありません。
同じ番組でも、話し手が変われば30wpmくらいは平気で動きます。
だから、番組名ではなく「今日の60秒」を測ってください。
もう1つ、速度には抜け道があります。
再生速度を落とすと帯が下がり、上げると帯が上がるという、当たり前の操作です。
170wpmの素材を0.75倍にすれば、計算上は128wpmの帯に入ります。
ただし、速度を落とすと音のつながり方が変わる点だけは覚えておいてください。
ゆっくりにすると、実際の会話では起きないほど1語1語が独立して聞こえます。
そのため、0.75倍は「場所を見つけるため」に使い、答え合わせは等倍に戻してから行います。
英語のリスニング教材を語彙のレベルで絞る判定表
語彙のほうは4つの帯で足ります。
速度と違って、こちらは再生設定では動きません。
動かす方法は、先に語を入れるか、素材を替えるかの2つだけです。
| 未知語率 | 台本を読んだときの状態 | 向く使い方 | 採用してよい条件 | 外れたときの操作 |
|---|---|---|---|---|
| 2%未満 | ほぼ全部わかる | 多聴・速度を上げる練習 | 速度を1つ上の帯にできるとき | 語彙が動かないので、速度で負荷をかける |
| 2〜5% | 数語だけ引っかかる | 書き取り・精聴 | 基本はこの帯を選ぶ | 操作なしでそのまま使える |
| 5〜10% | 意味が途切れる場所がある | 語彙の仕込み用 | 未知語を10語先に潰せるとき | 10語処理してから、もう一度測り直す |
| 10%以上 | 文の骨組みが組み立たない | 今は使わない | 採用しない | 音を止めて、台本を読む教材に回す |
いちばん多い失敗は、5〜10%の帯を「ちょっと難しいだけ」と考えて使い続けることです。
100語に7語知らない語があると、だいたい2文に1回は意味が切れます。
切れた場所を頭が補おうとしている間に、音声は次の話題へ移っています。
これが「途中から何を聞いているか分からなくなる」の正体です。
未知語を10語潰すだけで、7%が3%台まで落ちることは普通にあります。
教材を買い替える前に、まずこの10語を試してください。
ここで潰す10語の選び方にも基準があります。
- その台本に2回以上出てくる語を優先する
- 知らなくても文の意味が残る語は後回しにする
- 固有名詞は覚えず、読み方だけ確認して飛ばす
- 辞書の語義は全部見ない。この台本での意味だけにする
- 10語を超えたら、その素材は帯が合っていないと判断する
【早見表】英語のリスニング教材の選び方は速度×語彙の1枚
2つの数字が出たら、この1枚で採用か見送りかが決まります。
縦が未知語率、横がwpmの帯です。
| 未知語率 \ wpm | 110未満 | 110〜140 | 140〜170 | 170以上 |
|---|---|---|---|---|
| 2%未満 | 条件つき=1.25倍にして使う | 条件つき=1.25倍にして使う | 採用(多聴) | 採用(反応速度の練習) |
| 2〜5% | 採用(音の確認) | 採用(書き取り) | 条件つき=0.75倍で場所を探す | 条件つき=0.75倍で場所を探す |
| 5〜10% | 条件つき=10語潰して測り直す | 条件つき=10語潰して測り直す | 見送り=語彙が先 | 見送り=語彙が先 |
| 10%以上 | 見送り=台本を読む素材へ | 見送り=台本を読む素材へ | 見送り=台本を読む素材へ | 見送り=台本を読む素材へ |
採用は5マスだけです。
残りの11マスは、条件つきか見送りになります。
これが「良さそうな教材なのに続かない」が起きる理由です。
16マスのうち、そのまま使えるマスは3割しかありません。
ただし、条件つきの8マスは操作すれば使えます。
見送りになるのは、未知語率が5%を超えて速度も速い場合だけです。
つまり、候補を落とす理由のほとんどは語彙側にあります。
速いから難しいのではなく、知らない語が多いから速く感じているということです。
英語のリスニング教材を選ぶときにそのまま使えるAI指示文7本
7本とも、ChatGPT・Claude・Geminiのどれに貼っても同じように動きます。
音声そのものを渡す必要があるのは1本もありません。
渡すのは台本のテキストと、自分の記録だけです。
使う順番は、①で速度を出し、②で語彙を出し、③で採否を決め、④で次の候補を探し、⑤で難しすぎた素材を下げ、⑥で1週間に割り、⑦で乗り換えを決める流れです。
指示文①1分の語数を数える
台本と、その音声が何秒だったかの2つを渡します。
あなたは英語教材の測定係です。
これから英語の台本と、その音声の長さ(秒)を渡します。
次の順番で、日本語で答えてください。
1. 台本の総語数を数える
・ハイフンでつないだ語は1語として数える
・数字は表記どおり1語として数える
・言いよどみ(uh, um)は数から外し、外した数を別に示す
2. 総語数 ÷ 秒数 × 60 を計算して wpm を出す
3. wpm を、小数点以下を切り捨てた整数で示す
4. 次の5つの帯のどれに入るかを答える
(a) 110未満 (b) 110〜140 (c) 140〜170 (d) 170〜200 (e) 200以上
5. 台本を3等分し、前半・中盤・後半それぞれの語数を出す
6. 3つのうち語数がいちばん多い区間を指摘する
条件
・聞き取りのコツや勉強法は、この回答には書かない
・数えた根拠として、最初の10語と最後の10語をそのまま並べる
・秒数が渡されていない場合は、先に秒数だけを聞き返す
音声の長さ(秒):
(ここに書きます)
台本:
(このあとに貼ります)
この指示文の肝は、5番の3等分です。
平均が140wpmでも、後半だけ180wpmという素材があるからです。
「最初は取れるのに途中から消える」の多くは、この偏りで説明がつきます。
指示文②未知語率を出す
台本と、自分が知らない語のリストを渡します。
あなたは英語の語彙の仕分け係です。
これから台本と、私が知らない語のリストを渡します。
次の順番で、日本語で答えてください。
1. 台本の総語数を数える
2. 私が挙げた語が台本に何回出ているかを、語ごとに数える
・活用形(過去形・複数形・-ing形)も同じ語として数える
3. 未知語の延べ回数 ÷ 総語数 × 100 を計算し、未知語率を小数第1位まで出す
4. 次の4つの帯のどれに入るかを答える
(a) 2%未満 (b) 2〜5% (c) 5〜10% (d) 10%以上
5. 私の未知語を2つに分ける
(A) 知らないと、その文の意味が取れなくなる語
(B) 飛ばしても文の意味が残る語
6. (A)だけを、出てきた順に最大10語まで並べる
7. 10語それぞれについて、この台本の中での意味だけを1行で書く
条件
・辞書の語義を全部並べない。この台本での意味だけにする
・例文は作らない
・私が挙げていない語を未知語に足さない
・(A)が10語を超えた場合は、「この素材は語彙の帯が合っていない」と最後に1行で書く
台本:
(このあとに貼ります)
私が知らない語:
(このあとに貼ります)
(A)と(B)に分けさせるのが、この指示文の中心です。
知らない語を全部覚えようとすると、1本の素材で50語を超えることがあります。
意味が壊れる語だけに絞ると、たいてい10語前後に収まります。
指示文③採用か見送りか決める
早見表をそのまま渡して、判定だけをさせます。
あなたは英語教材の選定係です。
私が測った数字と、判定の表を渡します。
表のとおりにだけ判定してください。
私の数字
・wpm:( )
・未知語率:( )%
・今の状態:(例=110〜140の帯なら2回聞いて8割書き取れる)
・1日に使える時間:( )分
判定の表
・未知語率10%以上 → 見送り。台本を読む素材に回す
・未知語率5〜10% → 条件つき。未知語を10語潰してから測り直す
・未知語率2〜5% かつ wpm140未満 → 採用(書き取り)
・未知語率2〜5% かつ wpm140以上 → 条件つき。0.75倍で場所を探す
・未知語率2%未満 かつ wpm140以上 → 採用(多聴)
・未知語率2%未満 かつ wpm140未満 → 条件つき。1.25倍にして使う
答え方
1. 判定(採用/条件つき/見送り)を1行だけで書く
2. 条件つきの場合、その場でやる操作を1つだけ書く
3. この素材を今週やる回数を、1回あたりの秒数つきで書く
4. 判定の根拠になった行を、表からそのまま引用する
5. 私の数字が表のどの行にも当てはまらない場合は、「表に無い」とだけ答える
条件
・表に無い判断を足さない
・励ましの言葉を書かない
・別の教材をすすめない
5番の逃げ道を必ず残してください。
表に無い数字を無理に当てはめられると、そこから先の判断が全部ずれます。
指示文④候補を3本に絞る
教材そのものではなく、素材の「タイプ」を出させるのがコツです。
あなたは英語教材の絞り込み係です。
私の条件に合う「素材のタイプ」を3つだけ挙げてください。
私の条件
・目的:(仕事の会議/資格試験/日常会話/趣味の継続)
・今の帯:wpm( )/未知語率( )%
・1回に使える時間:( )分
・台本(字幕)が必要:はい/いいえ
・日本語の解説が必要:はい/いいえ
・使える端末:(スマホのみ/パソコンもある)
答え方
1. 素材のタイプを3つ挙げる
・ジャンル、話し手の人数、1本の長さ、台本の有無の4点で説明する
2. それぞれについて、私の条件のどれを満たすかを1行で書く
3. それぞれについて、私の条件のどれを満たさないかを1行で書く
4. 3つを、今週試す順番に並べ替え、その順番にした理由を1行で書く
5. 最初の1本について、最初の60秒をどこから切り出すかを指定する
条件
・サービス名や番組名を挙げる場合は、「料金と配信状況は公式ページで確かめてください」と添える
・料金・本数・配信開始日などの数字は書かない
・3つより多く挙げない
・私が「台本が必要」と答えている場合、台本が無いタイプを挙げない
料金と本数を書かせないのは、AIの答えが古い場合があるからです。
金額と配信状況は、自分で公式ページを開いて確かめる部分です。
ここを任せると、選び方の手順そのものが壊れます。
指示文⑤やさしく言い直させる
未知語率が高すぎた素材を、内容を保ったまま下の帯へ落とします。
あなたは英語の書き直し係です。
これから台本と、私が使えない語のリストを渡します。
次の3つを作ってください。
1. 同じ内容を、私が使えない語を1語も使わずに書き直した英文
2. 書き直した英文の総語数と、元の台本との語数の差
3. 書き直しで落ちてしまった情報を、日本語で箇条書きにする
条件
・元の台本に無い事実を足さない
・1文の長さは、元の台本の同じ位置の文より短くする
・固有名詞と数字はそのまま残す
・落ちた情報が無い場合は「落ちた情報なし」とだけ書く
・難しい語を、別の難しい語に置き換えない
・置き換えた語は「元の語 → 置き換えた語」の形で全部並べる
私が使えない語:
(このあとに貼ります)
台本:
(このあとに貼ります)
書き直した英文は、そのまま読み上げさせれば練習用の音声になります。
ただし、合成音声の扱いには注意点があるので、後の章で分けて書きます。
指示文⑥1週間の割り振りを作る
採用が決まった素材を、7日に割ります。
あなたは学習の割り振り係です。
1本の素材を7日に割ってください。
前提
・素材の長さ:( )秒
・1日に使える時間:( )分
・wpm:( )/未知語率:( )%
・今週のねらい:(書き取りの精度/速度への慣れ/語彙の定着)
答え方
1. 7日ぶんを表にする。列は「日」「やること」「聞く回数」「台本を見るか」
2. 同じ作業を3日以上続けて並べない
3. 4日目に、1日目とまったく同じ作業を1回だけ入れる
4. 7日目は新しいことをやらせず、1日目との差を数える日にする
5. 表の下に、毎日1行で記録する項目を3つだけ挙げる
条件
・1日の作業を3つ以上にしない
・素材を途中で差し替えない前提で組む
・1日の合計時間が、私が書いた分数を超えないようにする
・「頑張りましょう」のような言葉を入れない
4日目に1日目と同じ作業を入れるのが、この指示文の仕掛けです。
同じ条件の記録が2つ並ばないと、伸びたかどうかを比べられません。
指示文⑦乗り換えの時期を測る
1週間の記録を貼って、続けるか替えるかを決めさせます。
あなたは記録の読み取り係です。
私が7日ぶんの記録を貼ります。
記録の形
日付/聞いた回数/書き取れなかった語の数/意識が飛んだ回数
次の順番で答えてください。
1. 書き取れなかった語の数を、1日目と7日目で比べる
2. 減っている/横ばい/増えている のどれかを1語で判定する
3. 意識が飛んだ回数の平均を出す
4. 次の3つのどれかを選び、選んだ理由を1行で書く
(a) 同じ素材を続ける
(b) 速度の帯を1つ上げる
(c) 素材の内容そのものを変える
5. (b)を選んだ場合は、次に狙うwpmの帯を数字で書く
6. (c)を選んだ場合は、今の素材の何が合っていなかったかを1行で書く
条件
・記録が5日分に満たないときは、判定せず「日数が足りない」とだけ答える
・私の努力についての感想を書かない
・記録に無い数字を推測で埋めない
記録:
(このあとに貼ります)
記録が足りないときに判定させないのが、いちばん大事な1行です。
3日分の記録から「伸びていません」と言われると、その日にやめたくなります。
英語のリスニング教材の選び方を15分で終える手順
測るところから記録まで、1回15分に収まります。
用意するのは、候補の素材・その台本・AI・メモの4つだけです。
| 時間 | やること | 使う道具 | 終わったときに手元にあるもの |
|---|---|---|---|
| 0:00〜1:00 | 候補の素材から60秒を切り出し、秒数を控える | 音源と台本 | 今日の60秒 |
| 1:00〜3:00 | 台本と秒数を指示文①に貼る | AI | wpmと、前半・中盤・後半の偏り |
| 3:00〜5:00 | 台本を黙読し、意味が取れない語を書き出す | 台本 | 未知語のリスト |
| 5:00〜6:00 | 台本と未知語リストを指示文②に貼る | AI | 未知語率と、潰すべき10語 |
| 6:00〜7:00 | 2つの数字を指示文③に貼り、早見表で判定させる | AI | 採用・条件つき・見送りの判定 |
| 7:00〜9:00 | 採用なら、10語の意味だけを確認する | 指示文②の出力 | 意味が壊れる語の処理 |
| 9:00〜12:00 | 台本を見ずに2回聞いて書き取る | 音源 | 自分の書き取り |
| 12:00〜14:00 | 台本と突き合わせ、書けなかった語に印を付ける | 台本 | ズレの一覧 |
| 14:00〜15:00 | 日付・wpm・未知語率・ズレの件数を1行で記録する | メモ | 明日と比べる材料 |
2回目以降は、0:00〜7:00の7分を丸ごと飛ばせます。
同じ素材を使い続ける限り、帯はもう分かっているからです。
測り直すのは、素材を替えたときと、週の初めだけで足ります。
最後の1分の記録を飛ばさないでください。
この1行が無いと、指示文⑦に貼るものが7日後に存在しません。
英語のリスニング教材の選び方でやりがちな失敗5つ
どれも、教材の質とは関係のないところで起きています。
5つとも、測る習慣がないことから生まれる失敗です。
失敗①評判だけで決める
「初心者向け」と書かれた素材が、実測で175wpmということは起こります。
初心者向けという言葉は、内容の話であって速度の話ではないからです。
買う前に、公開されている見本の60秒を測ってください。
失敗②速いほど鍛えられると考える
未知語率が10%を超えた素材は、速度をいくら落としても意味が組み立ちません。
負荷をかけてよいのは、語彙の帯が2%未満に収まっているときだけです。
語彙が足りない状態での高速再生は、音の壁を眺めているのと同じ時間になります。
失敗③台本がない素材を選ぶ
台本が無いと、測ることも、答え合わせもできません。
聞き取れなかった箇所が、知らない語なのか音の変化なのかも判別できません。
台本の有無は、好みではなく採用条件として扱ってください。
失敗④1回で3本に手を出す
素材を毎回替えると、ズレの件数が減ったのか、素材が易しかったのかが分かりません。
同じ60秒を3日続けるほうが、比べられる記録が残ります。
飽きる前に終わるように、1回の長さを45秒まで削っても構いません。
失敗⑤測らずに乗り換える
「合わない気がする」で替えると、次の素材も同じ理由で合わなくなります。
替える前に、wpmと未知語率のどちらが原因かを1回だけ測ってください。
原因が語彙なら、素材を替えても数字はほとんど動きません。
目的別に変える英語のリスニング教材の選び方
帯の考え方は共通ですが、狙う帯と素材の条件は目的で変わります。
いちばん違うのは、話し手の人数と1回の長さです。
| 目的 | 狙うwpmの帯 | 狙う未知語率 | 素材の条件 | 1回の長さ |
|---|---|---|---|---|
| 仕事の会議・商談 | 140〜170 | 2〜5% | 複数人が話す・言い直しや割り込みが残っている・台本あり | 60秒 |
| 資格試験の対策 | 110〜160 | 2〜5% | 設問と同じ形式・同じ長さ・台本あり | 試験の1問と同じ長さ |
| 日常会話 | 140〜180 | 0〜5% | 雑談・言いよどみが編集で消されていない | 45秒 |
| 趣味として続ける | 110〜140 | 2%未満 | 自分が内容をすでに知っている分野 | 制限なし |
| 海外の授業や講義 | 130〜160 | 2〜5% | 1人が長く話す・図や資料が併記されている | 90秒 |
仕事が目的なら、きれいに編集された素材はむしろ外してください。
会議で起きているのは、言い直し・割り込み・言いかけの中断だからです。
これらが編集で消された素材ばかり聞くと、本番の音と別物になります。
試験が目的の場合は、逆に形式を揃えることを優先します。
問題の長さと設問の出方に耳が慣れることが、そのまま得点の動きに結びつきやすいからです。
英語のリスニング教材を選び直す時期と乗り換えの判定
乗り換えは、気分ではなく数字で決めます。
見る数字は4つあり、それぞれ替える先が違います。
| 見る数字 | 測るタイミング | 乗り換える線 | 乗り換え先 |
|---|---|---|---|
| 書き取れなかった語の数 | 同じ素材で3日続けたあと | 1日目の半分以下になった | wpmの帯を1つ上げる |
| 未知語率 | 週の初め | 2%を下回った | 語彙の重い分野へ素材を移す |
| 1回目で取れる割合 | 毎回 | 1回聞いただけでほぼ取れる | 2回聞きから1回聞きに変える |
| 意識が飛んだ回数 | 毎回 | 60秒で2回以上 | 内容を替える(速度は変えない) |
いちばん見落とされるのが、いちばん下の「意識が飛んだ回数」です。
難易度が合っていても、興味が無い内容は60秒すら持ちません。
この場合に速度を落とすと、退屈が増えて状況が悪くなります。
替えるのは速度ではなく、話している中身のほうです。
選び直す間隔は、1週間を1区切りにしてください。
毎日測ると数字が揺れますし、1か月放置すると帯が合わなくなっていることに気づけません。
英語のリスニング教材の選び方でAIに任せてはいけない3つ
AIに渡してよいのは、数える・分ける・言い直すという作業だけです。
判断の材料そのものを作らせると、選び方の手順が根元から崩れます。
| 仕事 | AIに任せてよいか | 理由 | 自分がやること |
|---|---|---|---|
| 語数を数える・割り算をする | 任せてよい | 台本の中だけで完結する作業 | 台本と秒数を正しく渡す |
| 未知語を重要度で分ける | 任せてよい | 渡したリストの中での仕分け | 知らない語を自分で挙げる |
| 料金・配信本数・提供状況 | 任せない | 手元の台本の外にある事実 | 公式ページを開いて確かめる |
| 音の正解を決める | 任せない | 書き起こしには誤りが混ざる | 人が付けた台本を正解として扱う |
| 合成音声を見本にする | 任せない | 人の話し方とは別物になる | 速度を変える練習台として使う |
3つ目の合成音声について、公式ドキュメントに書かれていることを整理します。
OpenAI公式ドキュメント「Text to speech」には、gpt-4o-mini-tts に対して指示文で制御できる項目として、Accent・Emotional range・Intonation・Impressions・Speed of speech・Tone・Whispering が挙げられています。
同じページには、用意されている音声が13種類であること、そしてそれらの音声が現時点では英語向けに最適化されていることも書かれています。
つまり、速度も訛りも指定できるので、自分の帯に合わせた練習用の音声は作れます。
指示文⑤で書き直した英文を読み上げさせれば、内容を保ったまま帯を下げた素材になります。
ただし利用ポリシー上、聞き手に対してAIが生成した音声であることを明示する必要があります。
自分だけで聞く練習なら関係ありませんが、人に配る場合は関わってきます。
そして、練習の設計としてはもう1つ理由があります。
合成音声は、言いよどみも言い直しも、話が途中で切れることもありません。
現実の会話で聞き取りを難しくしている要素が、最初から取り除かれた音になります。
だから、合成音声は帯を下げる道具として使い、最後の答え合わせは人が話した素材で行います。
台本の入手についても、公式の説明を1つ確かめました。
YouTubeヘルプ「字幕の設定を管理する」には、字幕がある動画ではプレーヤー右下の字幕アイコンでオンとオフを切り替えられること、設定からフォント・色・サイズなどのデフォルトを変更できることが書かれています。
ただし、自動で作られた字幕を「答え合わせの正解」として扱わないのが、この記事の基準です。
自分の聞き取りと機械の書き起こしを突き合わせても、どちらが正しいかを決める材料がないからです。
英語のリスニング教材の選び方についてよくある質問
ここまでの手順を回すときに、詰まりやすいところをまとめます。
Q. 未知語リストを自分で作るのが大変です。
A. 全部書き出す必要はなく、意味が取れない語だけに印を付けてください。
「なんとなく見覚えがある」は既知の側に入れて構いません。
Q. 台本が手に入らない素材はどうすればいいですか。
A. 教材としては採用せず、聞き流し用として別枠に置いてください。
測れない素材を教材に混ぜると、記録が比べられなくなります。
Q. wpmは何を目標にすればいいですか。
A. 目標は目的から決まるので、先に表の「目的別」を見てください。
仕事で使うなら140〜170の帯が基準になり、試験なら形式に合わせます。
Q. 毎日やらないと意味がないですか。
A. 同じ60秒を3日続けることのほうが、毎日素材を替えることより比べやすくなります。
比べる材料が並ばないと、乗り換えの判断ができないからです。
Q. 有料の教材と無料の素材で、選び方は変わりますか。
A. 判定表の使い方は同じで、変わるのは台本と解説が最初から付いているかどうかです。
その手間を自分で負うか、お金で省くかの違いだと考えてください。
Q. 判定が「条件つき」ばかりになります。
A. 早見表の16マスのうち、そのまま採用になるのは5マスなので、それが普通の状態です。
条件つきは、操作を1つ足せば使えるという意味です。
まとめ|英語のリスニング教材の選び方は測ってから
やることは、測る・当てはめる・操作するの3つだけです。
この記事で置いた材料を、使う順番に並べ直します。
- 候補の素材から60秒を切り出し、台本と秒数を用意する
- 指示文①でwpmを出し、指示文②で未知語率を出す
- 早見表の16マスに当てはめ、採用・条件つき・見送りを決める
- 条件つきなら、再生速度か未知語10語のどちらかだけを動かす
- 指示文⑥で7日に割り、毎日1行だけ記録する
- 7日目に指示文⑦を使い、続けるか帯を上げるかを決める
教材を探している時間が長い人ほど、測っていない時間も長くなっています。
手元にある素材を1本測るだけで、探す範囲は一気に狭くなります。
今日の60秒を、まず測ってみてください。
選んだ教材の音声をまねて声に出す段階まで来たら、発音を音ごとに採点してくれるアプリを1つ持っておくと、自分では気づきにくい音のずれが点数で見えます。
\無料で試せる/
発音を音ごとに採点してもらえる
無料版でも発音スコアが出る
この記事で確認した一次ソース
本文で引いた仕様と記載は、次のページを直接開いて確認しています。
- OpenAI公式ドキュメント「Text to speech」(指示文で制御できる項目・音声の数・英語向けの最適化・AI生成音声であることの明示)
- OpenAI公式ドキュメント「Speech to text」(語単位のタイムスタンプを返す指定)
- YouTubeヘルプ「字幕の設定を管理する」(字幕のオンとオフの切り替え・表示設定の変更)
仕様は変わることがあるので、最新の内容は各ページで確かめてください。
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