英文要約は、読む力と書く力を同じ1回の練習で動かせる、数少ないやり方です。
ところが、続かない人がとても多い練習でもあります。
理由はひとつで、書いた要約を自分で採点できないからです。
要点を落としていないか、原文の言い回しを写していないか、語数は合っているか。
この3つは、書いた本人の目にはいちばん見えません。
そこだけをAIに渡すと、英文要約は今日から回り始めます。
この記事では、採点の観点4つ、そのままコピーできる指示文5本、1回20分の手順表、間違いの溜め方を置きます。
英文を書く前の文法のやり直しや、単語帳の使い方は扱いません。
【結論】英文要約は、自分で採点できない部分だけをAIに渡すと回り始めます
英文要約でAIに渡すのは採点だけです。読むことと書くことは、最後まで自分の手に残します。
理由は3つあります。
1つ目は、英文要約の負荷そのものが練習の中身だからです。
原文を閉じて、頭の中に残った意味だけで英語を組み直す。
この「閉じてから書く」の数十秒が、読解と発信をつないでいます。
AIに要約させて、それを直す形にすると、この数十秒が丸ごと消えます。
2つ目は、採点だけは人が自分でやると、ほぼ確実に甘くなることです。
自分が書いた要約を読み返すと、原文の意味が頭に残っているので「伝わっている」と感じます。
原文を知らない人が読んだら何も分からない要約でも、書いた本人には通じてしまいます。
3つ目は、採点が「数えられる作業」に落とせることです。
要点が何個落ちたか、原文と何語が連続一致したか、語数が何語オーバーしたか。
どれも人が手でやると遅く、機械がやると速い作業です。
だから英文要約は、AIとの相性がとても良い練習です。
英文要約が「読解と発信を同時に鍛えられる唯一の練習」と言われる理由
英文要約には、他の練習に無い性質が1つあります。
読む側と書く側が、同じ素材の上でつながっていることです。
多読は読む側だけ、英作文のお題は書く側だけを動かします。
英文要約は、読んだ内容が足りないと書けず、書けないと読めていなかったことが分かります。
読解の失敗が、その場で目に見える形になる。これが英文要約のいちばんの取り柄です。
| 練習 | 動く力 | 自分で採点できるか | AIに渡す部分 |
|---|---|---|---|
| 英文要約 | 読解+発信(同時) | できない(原文を知っている自分が読むため) | 採点だけ。要点の取りこぼし・丸写し・語数・文法の4つ |
| 多読 | 読解のみ | できる(内容が追えたかは自分で分かる) | 未知語の絞り込みなど、脇の作業だけ |
| 英作文(お題形式) | 発信のみ | できない | 添削。ただし正解が1つに決まらず、指摘がぶれやすい |
| 音読・シャドーイング | 音と処理速度 | 録音すればある程度できる | 台本との差分の抽出 |
| 和訳 | 読解のみ | できる(日本語なので自分で読める) | 訳のぶれの指摘 |
表の2列目を見ると、英文要約だけが「読解+発信」で並んでいます。
そして3列目は「できない」です。
この2つが重なっているのが英文要約で、だからこそ挫折しやすく、AIを足す価値があります。
英作文のお題より、英文要約のほうが指摘が安定します
「自由に英作文を書いてAIに添削させる」と、指摘が毎回変わります。
正解が決まっていないので、AIは好みの方向に直してくるからです。
英文要約には原文という比べる相手があります。
原文にある要点が入っているかどうかは、好みではなく事実の照合です。
ここが、英文要約をAIに採点させるときの土台になります。
英文要約の採点は4つの観点に分ける|AIに丸投げしない線引き
「添削してください」と丸投げすると、AIは文法だけを直して返してきます。
要点を落としていることには、たいてい触れません。
英文要約でいちばん痛いのは、文法の誤りではなく要点の取りこぼしです。
だから、採点の観点を最初に4つへ割って、1回につき1つか2つだけを投げます。
| 観点 | 何を見るか | 自分で気づけるか | AIへの渡し方 | 使う指示文 |
|---|---|---|---|---|
| ①要点の取りこぼし | 原文の主張・根拠・結論のどれが落ちたか。原文に無い付け足しがないか | ほぼ気づけない。頭に原文が残っているため | 原文を段落ごとに要点化させ、自分の要約と1対1で突き合わせさせる | 1本目 |
| ②原文の言い回しの丸写し | 自分の言葉に置き換えられているか。原文の文をつなぎ替えただけになっていないか | 気づけない。写した自覚が無いことが多い | 原文と3語以上連続して一致する箇所を全部列挙させる | 2本目 |
| ③語数制限 | 決めた語数に収まっているか。削るなら何から削るか | 数えれば分かる。ただし削る順番は決められない | 語数を数えさせ、削る優先順位と書き直しまで出させる | 3本目 |
| ④文法・語法 | 時制・冠詞・単複・前置詞・語順・つづり | 半分くらいは気づける | 文法だけに絞り、誤りの種類と件数を数えさせる | 4本目 |
4つのうち、最初の3回は①と②だけで十分です。
③と④は、書いた英文の量が増えてから効いてきます。
順番は①→②→③→④で固定します。
要点が落ちている要約の文法を直しても、直した先が要約になっていないからです。
AIに決めさせてはいけないもの
- 要約の本文そのもの(AIに書かせた時点で、その回の練習は終わります)
- 素材のレベル(自分が辞書なしで読めるかどうかは、自分にしか分かりません)
- 語数の上限(先に自分で決めてから投げます。AIに決めさせると毎回変わります)
- 次に直す1点(候補は出させますが、選ぶのは自分です)
逆に言えば、それ以外は全部AIに渡してかまいません。
英文要約をAIに採点させる指示文5本(そのままコピーできます)
ここから先は、コピーしてそのまま貼れる形で置きます。
どれも共通して「今回は何を見ないか」を先に書いてあります。
見ない項目を書かないと、AIは文法の指摘で画面を埋めてしまいます。
採点の基準を先に書き切ることが、そのまま採点の安定につながります。
Prompt engineering is the process of writing effective instructions for a model, such that it consistently generates content that meets your requirements.
OpenAI「Prompt engineering」のドキュメントより(2026年9月16日に確認)
同じ結果を繰り返し出させるための書き方、と定義されています。
英文要約の採点で欲しいのは、まさにこの「毎回ぶれないこと」です。
1本目:要点の取りこぼしを、原文の段落ごとに突き合わせさせる
あなたは英文要約の採点役です。
これから2つのテキストを渡します。
1つ目は原文、2つ目は私が書いた要約です。
今回見るのは「要点の取りこぼし」だけです。
文法・語彙・言い回しの良し悪しは、今回は一切指摘しないでください。
手順
1. 原文を段落ごとに分け、各段落の要点を日本語1文で書き出す
2. その要点が私の要約に入っているかを、入っている/部分的/落ちている の3つで判定する
3. 「落ちている」ものを、原文での重要度が高い順に並べる
4. 最後に、私の要約にはあるが原文には無い内容(付け足し)を全部挙げる
出力は次の表と、付け足しの一覧だけにしてください。
段落番号 | 原文の要点(日本語1文) | 判定 | 原文の該当箇所(英語のまま引用)
判定が「入っている」のものにコメントは不要です。
原文:
(ここへ原文を貼ってください)
私の要約:
(ここへ自分が書いた要約を貼ってください)
この指示文の肝は、原文の側から先に要点を出させることです。
自分の要約を先に読ませると、AIはそこに書いてあることに引きずられます。
原文の要点リストが先にできていれば、落ちた項目は自動的に浮かび上がります。
「付け足し」を最後に出させているのも意味があります。
要約のつもりで、自分の意見や一般論を混ぜてしまう人はとても多いからです。
2本目:原文の丸写しを、3語以上の連続一致で機械的に検出させる
これが、この記事でいちばん渡したい1本です。
「自分の言葉で書けているか」を感想で聞いても、AIは「よく書けています」と返してきます。
数えられる形に落とすと、言い訳のしようがない結果が返ってきます。
次の2つのテキストを比べてください。
1つ目が原文、2つ目が私の書いた要約です。
やることは1つだけです。
原文と私の要約で「3語以上が連続して一致している箇所」を、1つ残らず抜き出してください。
数え方のルール
- 大文字小文字の違い、冠詞(a / an / the)の違いは一致として数える
- 固有名詞、数字、その分野の専門用語だけでできた一致は除外し、除外した理由を1行で書く
- 一致した語数が多い順に並べる
- 1件ごとに、私の要約の側だけを言い換えた案を3つ出す
- 言い換え案は、原文と3語以上連続して一致しない形にする
出力は次の表だけにしてください。
一致語数 | 原文の該当箇所 | 私の要約の該当箇所 | 言い換え案3つ
表のあとに、次の2行だけを足してください。
・私の要約の総語数と、一致箇所に含まれていた語数
・一致が5語以上の箇所が何件あったか
感想やほめ言葉は書かないでください。
原文:
(ここへ原文を貼ってください)
私の要約:
(ここへ自分が書いた要約を貼ってください)
3語という線には理由があります。
2語だと “in the” のような機能語の並びが大量に引っかかり、表が読めなくなります。
4語以上にすると、文の骨組みを写している部分が抜け落ちます。
私が指導で使ってきた範囲では、3語がいちばん実害と一致します。
そして「5語以上が何件あったか」を別で数えさせています。
5語連続で一致していたら、それは言い換えではなく引用です。
この1行が0件になる日を目標にすると、練習の目的がはっきりします。
3本目:語数制限を数えさせ、削る順番まで出させる
次の英文は、私が書いた要約です。
指定語数は 60 語、許容は プラスマイナス10パーセント です。
(この数字は自分の設定に書き換えて使ってください)
今回は、語数と情報の取捨選択だけを見てください。
文法の誤りは指摘しないでください。
1. 総語数を数えて示す(ハイフンでつないだ語は1語、数字は1語として数える)
2. 指定語数に対して何語の超過または不足かを書く
3. 超過している場合、削る候補を「削るべき順番」で並べる
削る順番の基準は、次の順で固定してください
1位 原文に無い付け足し
2位 具体例・固有名詞・数字の細部
3位 形容詞と副詞の修飾
4位 同じ内容の重複
4. 候補ごとに、削ったあとの文を書き直して示す
5. 不足している場合は、原文の要点で落ちているものを1つだけ足す案を出す
出力は次の3つだけです。
・総語数と過不足の語数
・表:順番 | 削る対象の語句 | 削る理由(上の4基準のどれか) | 書き直した文
・最終案(指定語数に収まったもの)
私の要約:
(ここへ自分が書いた要約を貼ってください)
原文:
(ここへ原文を貼ってください)
語数制限は、英文要約でいちばん軽く見られている観点です。
しかし、削る順番を決める作業こそが「要点を見抜く力」そのものです。
何を削るかで迷う人は、まだ原文の主張と具体例を分けられていません。
削る基準を4段に固定して渡すと、その判断が毎回同じ物差しで返ってきます。
4本目:文法と語法だけを、直す理由つきで指摘させる
次の英文は、私が書いた要約です。
今回は文法と語法だけを見てください。
内容の過不足、要点の取りこぼし、言い回しの丸写しは、今回は指摘しないでください。
1件ごとに、次の5つを必ず出してください。
1. 誤りのある箇所(私が書いたままの形で引用)
2. 直した形
3. 誤りの種類(時制/冠詞/単数複数/前置詞/語順/語法/つづり のどれか1つ)
4. なぜ誤りなのかを日本語2文以内で
5. 次に書くとき、どこを見れば自分で気づけるか(確認の合図を1つ)
最後に、種類ごとの件数を多い順に表で出してください。
種類 | 件数 | 今回これが多かった理由(推測でよい)
なお、私が意図的に選んだ言い換えを「原文と違う」という理由だけで直さないでください。
自然さの好みによる書き換えは、誤りとは分けて最後にまとめてください。
私の要約:
(ここへ自分が書いた要約を貼ってください)
この指示文の要は、5番目の「確認の合図」です。
直された形だけを見ても、次に書くときには同じ誤りが出ます。
「主語が3人称単数のときは動詞の語尾を見る」のような合図を、1件ごとに持ち帰ります。
種類ごとの件数を表で出させるのも同じ狙いです。
3回ぶんの表を並べると、自分の弱点が1つか2つに絞られてきます。
5本目:4観点をまとめて採点させる(慣れてきたら)
あなたは英文要約の採点役です。
原文と私の要約を渡します。
次の4観点で採点し、観点ごとに点と指摘を出してください。
配点
A 要点の取りこぼし 40点
B 原文の言い回しの丸写し 30点
C 語数(指定 60 語、プラスマイナス10パーセント) 15点
D 文法・語法 15点
Bの数え方だけは機械的にしてください。
原文と3語以上連続して一致した箇所を全部数え、1件につき3点を引きます。
5語以上の一致は1件につき6点を引きます。
Cは、指定語数から外れた語数1語につき1点を引きます。
出力
1. 4観点の点と合計点
2. 観点ごとの指摘(多い順に3件まで。4件目以降は書かない)
3. 次の1回で直すことを1つだけ
3番は、必ず1つに絞ってください。
複数挙げると、私が動けなくなります。
原文:
(ここへ原文を貼ってください)
私の要約:
(ここへ自分が書いた要約を貼ってください)
配点は自分で好きに変えてかまいません。
ただし、AとBに7割を置く形は崩さないでください。
英文要約で測りたいのは、英文の美しさではなく、意味を運べたかどうかだからです。
英文要約の素材の選び方|自分のレベルの決め方とニュース記事の使い方
素材を間違えると、英文要約は1回で終わります。
難しすぎる英文を選ぶと、それは要約の練習ではなく読解の練習になるからです。
線引きは1つだけです。辞書を引かずに1回読んで、だいたいの流れが追えるか。
追えないなら、その素材は要約には向きません。1段やさしいものへ下ろします。
レベルが数字で書かれた素材から始める
自分のレベルは、自己申告ではなく素材の側の数字で決めると速いです。
同じニュースを難易度別に出している教材があれば、上げ下げで自分の線が測れます。
| 素材 | レベルの刻み方 | 英文要約での使い方 |
|---|---|---|
| Breaking News English | 同じニュースが Level 0 から Level 6 の7段階で用意されている(2026年9月16日にトップページで確認。掲載は3,659本と表示) | 同じ話題のまま1段ずつ上げ下げして、辞書なしで追える段を探す。見つかった段が当面の定位置 |
| VOA Learning English | Beginning / Intermediate / Advanced の3段(2026年9月16日に確認。1959年の Special English が前身と説明されている) | 刻みが粗いので、段を決めたあとの「量をこなす場所」として使う |
| 一般の英語ニュース | レベル表示なし | 辞書なしで追えるようになってから。最初の3段落だけを切り出して使う |
| 教科書・問題集の長文 | 級や学年で表示 | すでに解いた長文を素材にすると、内容が頭にあるぶん書く側に集中できる |
大事なのは、素材を毎回変えないことです。
同じ出どころ・同じ長さで3週間続けると、自分の変化が指摘の件数で見えます。
ニュース記事は「最初の3段落」だけを切り出す
ニュース記事をまるごと要約しようとすると、20分では終わりません。
私が指導で勧めているのは、冒頭3段落だけを切り出す形です。
英語のニュース記事は、結論を先に置いて、そのあと詳細を足していく形が多く見られます。
つまり冒頭3段落の中に、主張と根拠がすでに入っています。
この3段落を、だいたい150語から200語で切ると、要約の練習にちょうど収まります。
- 原文150語なら、要約は50語前後(およそ3分の1)
- 原文200語なら、要約は60語前後
- 慣れてきたら5分の1まで絞る。ここからが本番
- 語数は書く前に決める。書いてから決めると、書いた文を守る方向に判断が曲がる
3分の1と5分の1は、私が受講者に出してきた目安です。
研究で決まった数字ではないので、合わなければ自分で動かしてください。
英文要約を1回20分で回す手順(分単位の表)
英文要約は、時間を区切らないと1本に1時間かかります。
20分で切ると、毎日回せる練習になります。
| 時間 | やること | 道具 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|---|
| 0:00 – 0:02 | 素材を開き、語数の上限を決めて紙かメモに書く | 素材のページ | 語数を決めずに始めると、必ず長くなる |
| 0:02 – 0:06 | 原文を辞書なしで1回だけ読む | 素材のページ | 2回読むと、言い回しが頭に残って丸写しが増える |
| 0:06 – 0:07 | 原文を閉じる。別タブにするか、紙を裏返す | なし | ここを飛ばすと練習が成立しない。いちばん大事な1分 |
| 0:07 – 0:14 | 原文を見ずに要約を書く。思い出せない語は日本語で仮置きしてよい | メモ帳 | 書けない語で止まる。仮置きして最後まで書き切る |
| 0:14 – 0:15 | 語数を数え、超過分を自分で削る | 文字数カウント | 削らずにAIへ投げると、指摘が語数の話で埋まる |
| 0:15 – 0:18 | 指示文の1本目と2本目を投げる | AIのチャット画面 | 4本まとめて投げない。指摘が薄まる |
| 0:18 – 0:20 | 指摘を1行1件で記録表に足し、次の1点を決める | 記録表 | 全部を直そうとしない。次の1点だけ |
0:06から0:07の「原文を閉じる」を、必ず動作として入れてください。
ここを守れているかどうかで、練習の中身が別物になります。
原文を見ながら書いた英文は、要約ではなく写経です。
3本目と4本目の指示文は、週に1回か2回で足ります。
毎日やるのは、①要点の取りこぼしと②丸写しの2つだけです。
英文要約が丸写しになる人が踏んでいる3つの型
2本目の指示文を投げると、最初の数回はほぼ全員に一致箇所が出ます。
出ること自体は問題ではありません。型が分かれば消せます。
型1:原文を開いたまま書いている
いちばん多い型で、いちばん直しやすい型です。
原文が視界にあると、人は必ずそこから語を借ります。
別タブに移す、紙を裏返す、画面を閉じる。どれか1つを動作として固定します。
型2:言い換えられない語を、そのまま持ってきている
知っている語が少ないと、原文の語をそのまま置くしかなくなります。
これは丸写しの癖ではなく、語彙の問題です。
2本目の指示文が出す「言い換え案3つ」は、そのまま自分の語彙帳になります。
一致箇所ごとに3案が出るので、1回の練習で数語ずつ言い換えの手札が増えます。
型3:文の骨組みごと写して、単語だけ入れ替えている
この型は、本人にいちばん自覚がありません。
形容詞や名詞を別の語に変えたので、書き換えたつもりになっています。
ところが主語・動詞・語順が原文のままなので、3語以上の一致がずらりと出ます。
直し方は1つで、要約を書くときに主語を変えることです。
原文が組織を主語にしているなら、自分は人や出来事を主語に置きます。
主語が変われば、動詞も前置詞も自動的に変わります。
英文要約の間違いは1行1件で溜める|記録表の作り方
AIの指摘は、その場で読んで終わりにすると1つも残りません。
読んだ瞬間は「なるほど」と思うので、覚えたつもりになるからです。
溜め方の決まりは1つです。1行1件、5列だけ。
| 列 | 書くこと | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 日付 | その日の日付だけ | 9/16 |
| 素材 | 出どころとレベル、語数 | ニュース教材 Level 3 / 180語 |
| 観点 | ①要点 ②丸写し ③語数 ④文法 のどれか | ② |
| 指摘 | AIの指摘を自分の言葉で1行に縮める | 原文の主語をそのまま使い、5語一致が2件 |
| 次の一手 | 次の1回でやることを1つだけ | 要約の主語を人に変えて書く |
列を増やさないでください。増やすと書かなくなります。
この表の使いどころは、週に1回の見返しです。
観点の列だけを縦に眺めて、同じ番号が3回以上続いていないかを見ます。
3回続いていたら、その観点だけを狙う回を1回はさみます。
②が続くなら、要約を書く前に「今日は主語を変える」と1行メモしてから書く、という形です。
指摘の件数そのものは、上下してかまいません。
素材の難易度で簡単に動くので、件数を成績表のように見ないほうが続きます。
英文要約を続けた人に起きること|英語講師としての観察
私は英語講師・英語コーチとして、要約を課題に出す形の指導を続けてきました。
そこで見てきたのは、読むときの目線が先に変わる、という順番です。
要約を前提にして読むようになると、人は段落の先頭を強く見ます。
「この段落は何を言っている段落か」を探しながら読む形に変わっていきます。
その結果、英文を全部訳さずに読み進められる人が出てきます。
これは要約のために読んでいるからで、多読の量では起きにくい変化でした。
オーストラリアでの最初の海外勤務で、要約の力が足りていないと分かりました
私が初めて海外で働いたのはオーストラリアでした。
そこで毎日求められたのは、長い説明ではなく「で、要するに何なのか」の一言でした。
読めていても、短くまとめて渡せないと仕事が進みません。
語学学校でもワーホリでも大学でも、そこは教わりませんでした。
要約は、学校の外に出た瞬間にいちばん使う技術です。
30歳・英検3級から始めた人間としての見方
私が英語をやり直し始めたのは30歳で、そのときの手持ちは英検3級でした。
当時の自分に足りなかったのは、単語でも文法でもなく、意味を縮める練習でした。
読んだ内容をそのまま全部言おうとするので、話し始めるまでが長いのです。
要約を続けると、言葉が出てくるまでの時間が短くなった人を、指導の中で何人も見てきました。
ただし、これは私が見てきた範囲の観察で、数字で測ったものではありません。
効果を言い切れるだけの測定を、自分ではしていないからです。
英文要約をAIで回すときに、やってはいけない5つ
ここまでの逆側を、5つにまとめます。
- AIに要約を書かせてから直す。これは要約の練習ではなく、添削の練習です。読解の負荷がまるごと消えます
- 「添削してください」とだけ投げる。観点を書かないと、文法の指摘だけが返ってきます
- 原文を開いたまま書く。丸写しの最大の原因で、2本目の指示文の結果が毎回真っ赤になります
- 語数を決めずに書く。削る判断が発生しないので、要点を見抜く練習になりません
- 毎回ジャンルと難易度を変える。指摘の件数が素材の難しさで動き、自分の変化が読めなくなります
5つのうち、最初に潰すのは3つ目です。
原文を閉じるだけで、練習の質がいちばん大きく動きます。
英文要約とAIについてよくある質問
Q. 英文要約を続ければ、英語力は伸びますか。
A. 伸びると言い切ることはできません。
ただし、要点の取りこぼしと丸写しの件数が毎回数字で出る状態は作れます。
その数字が出ていれば、次に何をやるかは自分で決められます。
Q. 要約は英語で書くべきですか、日本語でもよいですか。
A. 発信の側を鍛えたいなら英語です。
日本語で要約すると読解の確認にはなりますが、書く側は動きません。
英語で書けない日は、日本語で骨組みだけ書いてから英語に直す形でもかまいません。
Q. AIの採点は信用できますか。
A. 観点を分けて渡した分だけ、返ってくる答えは安定します。
特に2本目の「3語以上の連続一致」は、数えるだけの作業なので結果を自分で確かめられます。
疑わしいときは、挙がった一致箇所を原文で検索して確かめてください。
Q. どのAIを使えばよいですか。
A. この記事の指示文は、長い文章を貼り付けられるチャット型のAIであれば動きます。
原文と要約を両方貼るので、入力の文字数に余裕があるものを選んでください。
各サービスの料金や無料枠は変わるため、この記事では書いていません。
Q. 何語くらいの原文から始めればよいですか。
A. 150語前後です。
これより長いと、20分の枠に収まりません。
短すぎる原文は、要点が1つしかないので取りこぼしが起きず、練習になりません。
Q. 毎日やらないと意味がありませんか。
A. 週3回でも記録表は機能します。
ただし、素材の出どころと語数は固定してください。
条件を変えたまま回数を減らすと、指摘の増減が何の結果なのか読めなくなります。
Q. 一致箇所がゼロになりません。
A. 3語の一致はゼロにしなくて大丈夫です。
狙うのは、5語以上の一致を0件にすることです。
そこだけを目標にすると、直す場所が毎回はっきりします。
Q. 英文要約と和訳は、どちらを先にやるべきですか。
A. 辞書なしで流れが追えないうちは、和訳のほうが噛み合います。
英文要約は、読めている素材の上でしか成立しないからです。
素材の段を1つ下げれば、今日からでも英文要約に移れます。
まとめ|英文要約は、採点だけをAIに渡せば今日から回せます
英文要約は、読解と発信が同じ素材の上でつながる練習です。自分で採点できない部分だけをAIに渡します。
やることは3つだけです。
- 辞書なしで流れが追える素材を選び、原文150語・要約50語のように語数を先に決める
- 原文を閉じて7分で書き切り、1本目(要点の取りこぼし)と2本目(3語以上の連続一致)を投げる
- 指摘を1行1件で記録表に足し、次の1回で直すことを1つだけ決める
武器になるのは2本目の指示文です。
「自分の言葉で書けているか」は感想では測れませんが、連続一致の語数なら数えられます。
5語以上の一致が0件になった日が、要約が自分の英語になった日です。
この記事の情報の取り方
- 英語ニュース教材のレベルの刻み方と掲載本数は、2026年9月16日に各サイトのページを直接取得して読みました
- プロンプトの書き方についての引用は、提供元の開発者向けドキュメントの文言を同日に確認して写しています
- 英語の引用は、取得した時点のページにあった表記をそのまま載せています
- 各AIサービスの料金と無料枠は、料金ページの本文を取得できなかったので書いていません
- 要約の語数比(3分の1・5分の1)と20分の配分は、私が指導で使ってきた目安であり、研究の数値ではありません
- 第二言語習得の研究の数値は、一次資料に自分で当たれなかったので1件も引用していません
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