IELTSライティングをAIに添削させても点が動かない人には、共通点があります。
Task1の答案とTask2の答案を、同じ指示文でAIに投げていることです。
公式の説明を読むかぎり、この2つは中身がまったく別の試験です。
片方は与えられた図表の数字を正しく読み取って伝える作業で、もう片方は自分の立場を決めて論を組み立てる作業です。
別の試験なのに同じ指示文で投げるから、AIの答えが毎回「文法ミスの一覧」と「もっと具体例を入れましょう」で終わります。
この記事では、Task1とTask2の評価の中身を表で切り分け、タスク別のコピーできる指示文を8本置きます。
あわせて、AIが出すバンドスコアの推定値を判断材料にしない理由と、代わりに使える見方も書きます。
事実の部分はすべて ielts.org の公式ページと公式PDFを2026年9月16日に取得して確認しています。
【結論】IELTSライティングをAIで添削するなら、Task1とTask2で指示文を分けます
IELTSライティングのAI添削でやることは1つです。Task1用の指示文とTask2用の指示文を別々に用意して、使い分けます。
理由は3つあります。
1つ目は、公式が採点の観点そのものを2つに分けていることです。
ielts.orgのWriting test formatのページには、4つの評価基準の1番目が「Task achievement/Task response」と書かれています。
同じ枠なのに、Task1では achievement、Task2では response と名前が変えてあります。
名前が違うということは、見ているものが違うということです。
2つ目は、AIは指示文に書かれた観点しか見に行かないことです。
「添削してください」だけを渡すと、AIは一番拾いやすい文法とスペルに寄ります。
文法とスペルは4つの基準のうち1つ分でしかないので、そこだけ直しても残りの3つは動きません。
3つ目は、Task1とTask2では「直すと効く場所」が真逆になることです。
Task1で伸ばす余地があるのは、数字の読み取りの正確さと、比較の言い方の幅です。
Task2で伸ばす余地があるのは、立場の一貫性と、段落の組み立て方です。
この2つを1本の指示文で同時に見させると、どちらの指摘も浅くなります。
IELTSライティングのTask1とTask2は別の試験|公式の記述で見る評価の中身の違い
まず、公式ページに書いてある事実だけを並べます。
ielts.orgのIELTS Academic Writingのページには、Task1が「最低150語・約20分」、Task2が「最低250語・約40分」、全体で60分と書かれています(2026年9月16日に確認)。
同じページのSummary欄には、Writingの点数への貢献度についてこう書かれています。
Marking: Task 2 contributes twice as much as Task 1 to the Writing score.
ielts.org「IELTS Academic: Writing test format」より(2026年9月16日に確認)
Task2の重みがTask1の2倍です。ここは配分を決めるときの土台になります。
そしてTask1については、こう書かれています。
In Task 1, all the information you require is given in the graph, chart, table or diagram.
ielts.org「IELTS Academic: Writing test format」より(2026年9月16日に確認)
必要な情報は全部そこにある、と書いてあります。つまりTask1は、外から持ってくる作業ではありません。
公式PDF「IELTS Writing Key Assessment Criteria」では、Academic Task1をこう定義しています。
It is basically an information-transfer task, which relates narrowly to the factual content of a diagram, graph, table, chart, map or other visual input, not to speculative explanations that lie outside the given data.
ielts.org「IELTS Writing Key Assessment Criteria」(PDF)より(2026年9月16日に確認)
information-transfer task、つまり情報の移し替えの課題だと明記されています。
一方のTask2は、同じPDFで「立場を作って展開する課題」と書かれています。
candidates are required to formulate and develop a position in relation to a given prompt in the form of a question or statement, using a minimum of 250 words.
ielts.org「IELTS Writing Key Assessment Criteria」(PDF)より(2026年9月16日に確認)
片方は「持ち込むな」、もう片方は「自分で作れ」です。正反対の指示です。
IELTSライティングのTask1とTask2の比較表
公式の記述から拾えるものだけで表にしました。
| 見るところ | Task1 | Task2 |
|---|---|---|
| 最低語数 | 150語 | 250語 |
| 目安の時間 | 20分以内 | 40分以内 |
| Writingの点への重み | 1 | 2 |
| 1番目の基準の名前 | Task Achievement | Task Response |
| その基準が見るもの(公式PDFの要点) | 主要な特徴の選択/数字と傾向の正確な報告/比較して差を際立たせる/形式 | 課題への応答の網羅性/主要な考えの展開と裏づけ/論の関連性/立場の提示と結論の作り方/形式 |
| 情報の出どころ | 与えられた図表の中だけ | 自分の考えと、経験からの例も可 |
| AIに任せてよい仕事 | 数字の読み違いの検出、比較表現の列挙 | 段落の骨組みの抽出、立場のブレの検出 |
| AIに任せないほうがよい仕事 | 図表に無い理由の推測 | 立場そのものを決めること |
表の最後の2行が、この記事でいちばん言いたいところです。
Task1でAIに「なぜこの年に急増したのか説明して」と聞くと、AIは図表の外から一般論を持ってきます。
それを答案に書くと、公式が「speculative explanations that lie outside the given data」と呼んで除外している方向へ進みます。
AIの親切心が、そのまま減点方向に働く場面です。
IELTSライティングのTask1をAIに添削させる指示文3本|数字と比較表現に絞る
Task1のAI添削は、3本を順番に投げます。
1本目で数字の読み違いを潰し、2本目で全体像の有無を見て、3本目で比較の言い方を増やします。
この順番には理由があります。数字が間違っているのに言い回しを増やしても、間違いが増えるだけだからです。
指示文1:図表の数字と答案の数字を突き合わせる
あなたはIELTS Academic Writing Task 1 の照合役です。
これから2つを渡します。
(A) 図表から読み取れる数値を、私が箇条書きにしたもの
(B) 私が書いた答案
日本語で、次の順番だけを答えてください。
1. (B)に出てくる数値・年・単位・順位を、出てきた順に全部抜き出して表にする
列は「答案の記述 / (A)に対応する値 / 一致・不一致・(A)に無い」の3つ
2. 「不一致」と「(A)に無い」の行だけをもう一度並べ、それぞれ何が問題かを1行で書く
3. (B)の中で、図表からは読み取れない原因・理由・予測を述べている文を全部抜き出す
条件
・褒め言葉と励ましは書かない
・文法とスペルの指摘はこの回答では一切しない
・言い換えの提案もこの回答ではしない
・(A)に書かれていない値を自分で補わない。分からない場合は「(A)に情報なし」と書く
この指示文の肝は、答案より先に「自分で読み取った数値のリスト」を作らせている点です。
画像をそのまま渡すと、AIがグラフの目盛りを読み違えたまま添削が進むことがあります。
自分が読み取った値を正として渡せば、少なくとも「AIの読み違いに合わせて答案を壊す」事故は起きません。
3番の項目が、公式が除外している「データの外の説明」を拾う仕掛けです。
指示文2:全体像を1文で言えているかだけを見る
あなたはIELTS Academic Writing Task 1 の構成チェック役です。
私の答案を渡します。日本語で次だけを答えてください。
1. 答案の中から「全体の傾向をまとめた文」を1文だけ引用する。
該当する文が無ければ「該当なし」と書く
2. その文が、個別の数値の羅列ではなく全体をまとめた言い方になっているかを
「まとめている / 個別の数値の言い換えにとどまる」のどちらかで判定し、
判定の根拠を答案の語句を引用して示す
3. 答案の段落構成を「第1段落=何をしている / 第2段落=何をしている」の形で、
段落数だけ並べる
4. 同じ内容を2か所以上で言っている箇所があれば、その2文を並べて示す
条件
・書き直し案は出さない
・語彙と文法の指摘はしない
・答案に無い情報を足さない
公式のWriting Band Descriptors(Updated May 2023)を読むと、Task1のBand 7の欄に overview という語が出てきます。
そこには「It presents a clear overview, the data are appropriately categorised, and main trends or differences are identified.」と書かれています(2026年9月16日に確認)。
すぐ下のBand 6の欄は「A relevant overview is attempted.」です。
clear と attempted、この語の差が1バンド分の差として並んでいます。
だから指示文2では、全体像の文が「ある/ない」ではなく「まとめているか/数値の言い換えか」を判定させています。
指示文3:比較の言い方の幅を増やす
あなたはIELTS Academic Writing Task 1 の語彙の棚卸し役です。
私の答案を渡します。日本語の見出しで、英語の例を出してください。
1. 答案で使われている「増加・減少・変化なし・比較・最大最小」を表す語句を
全部抜き出し、同じ語を何回使っているかを回数つきで表にする
2. 2回以上使われている語句それぞれについて、同じ意味で使える別の言い方を
3つずつ出す。品詞が変わる形(動詞・名詞・形容詞)を最低1つ混ぜる
3. 答案に一度も出ていない比較の型を5つ挙げ、私の答案の数値を当てはめた
例文を1文ずつ作る
(型の例:倍数での比較、割合での比較、差の大きさでの比較、
順位での比較、同じ水準であることの表現)
条件
・答案を丸ごと書き直さない。語句と1文単位でとどめる
・私が書いていない数値を使わない
・難しい語ほど良いという前提で選ばない。文脈に合うかを優先する
3番の「一度も出ていない比較の型」を出させるのが、この指示文の中心です。
公式PDFのTask Achievementの説明には、比較について踏み込んだ書き方があります。
「comparing or contrasting the information by adequately highlighting the identifiable trends, principal changes or differences in the data and other inputs (rather than mechanical description reporting detail)」という記述です(2026年9月16日に確認)。
括弧の中の「mechanical description reporting detail」、つまり機械的に細部を並べるだけの記述が、はっきり対比されて置かれています。
数字を順番に読み上げる答案になっている人は、ここで止まっていることが多いです。
IELTSライティングのTask2をAIに添削させる指示文3本|立場の一貫性と段落構成に絞る
Task2も3本です。見るものがTask1と入れ替わります。
1本目で立場のブレを見て、2本目で段落の骨組みを取り出し、3本目で具体例の質を見ます。
指示文4:立場が最初から最後まで同じかを見る
あなたはIELTS Writing Task 2 の論旨チェック役です。
これから2つを渡します。
(A) 問題文(prompt)
(B) 私が書いた答案
日本語で、次の順番だけを答えてください。
1. (A)が私に何を求めているかを、「答えるべき問い」の形で箇条書きにする。
問いが2つ以上含まれている場合は分けて書く
2. (B)の序論から「私の立場」を1文引用し、それを日本語で言い換える
3. (B)の結論から「私の立場」を1文引用し、それを日本語で言い換える
4. 2と3が同じ立場かを「同じ / ずれている / 結論に立場が無い」で判定し、
ずれている場合は、どの段落から向きが変わったかを段落番号で示す
5. 1で並べた問いのうち、(B)で答えられていないものを列挙する
条件
・私の立場が正しいかどうかの意見は書かない
・書き直し案は出さない
・文法とスペルの指摘はしない
公式PDFのTask Responseの説明には、「how clearly the candidate opens the discourse, establishes their position and formulates conclusions」という項目があります(2026年9月16日に確認)。
序論での立場の提示と、結論の作り方が、同じ1つの項目の中に並べて書かれています。
だから指示文4では、序論と結論を別々に引用させて、突き合わせさせています。
指導の場で答案を読んでいると、本文の途中で反対意見に説得されて向きが変わっている答案に、かなりの頻度で出会います。
書いている本人は気づきません。段落ごとに書いているからです。
指示文5:段落の骨組みだけを抜き出させる
あなたはIELTS Writing Task 2 の構成の解剖役です。
私の答案を渡します。日本語で、次の表だけを出してください。
列は5つ。
「段落番号 / その段落の役割 / 主題文(英語で引用) / 裏づけの種類 / 語数」
役割は次のどれかから1つだけ選ぶ。
序論・主張の提示・反対意見の提示・反論・具体例・結論・役割が不明
裏づけの種類は次のどれかから1つだけ選ぶ。
具体的な事例・一般論のみ・数値らしきもの・裏づけなし
表の後に、次の3つだけを書く。
1. 「役割が不明」と判定した段落について、なぜそう判定したかを1行ずつ
2. 「一般論のみ」と「裏づけなし」の段落番号を並べる
3. 段落間のつなぎ語(However, Moreover など)を全部抜き出し、
同じ語を2回以上使っている場合は回数を書く
条件
・書き直し案は出さない
・語彙と文法の評価はしない
・点数の推定はしない
この表が出てくると、自分の答案が「主張・主張・主張・結論」になっていることに気づきます。
Coherence and Cohesionの公式の説明には、「the appropriate use of paragraphing for topic organisation and presentation」という項目があります。
段落分けそのものが評価の対象として書かれている、ということです。
語数を列に入れているのは、1段落だけが極端に長い答案を見つけるためです。
指示文6:具体例が本当に具体的かを見る
あなたはIELTS Writing Task 2 の具体例のチェック役です。
私の答案を渡します。日本語で次だけを答えてください。
1. 答案の中で「例」として機能している箇所を全部抜き出し、英語で引用する
2. それぞれについて、次の4段階のどれかを付ける
L1 誰にでも当てはまる一般論(例:多くの人が〜と感じている)
L2 集団の話だが特定できない(例:ある国では〜)
L3 場面が特定できる(例:都市部の通勤者が〜する場合)
L4 具体的な出来事・人物・数値が入っている
3. L1とL2の箇所それぞれについて、L3に上げるために足すべき情報の
「種類」だけを日本語で示す(内容は書かない。例:「時期」「対象の範囲」)
4. 主張に対して例が付いていない段落の番号を並べる
条件
・私の代わりに例を作らない。事実を捏造しない
・書き直し案は出さない
・点数の推定はしない
3番で「内容は書かない。種類だけ」と縛っているのが要点です。
ここを縛らないと、AIが実在しない統計や研究名を作って差し出してきます。
公式ページには、Task2の例について「which can be from your own experience, if relevant」と書かれています(2026年9月16日に確認)。
自分の経験から出してよいのですから、AIに作らせる必要はありません。
IELTSライティングのTask1とTask2に共通で使う指示文2本
語彙と文法の見直しは、両方のタスクで同じものが使えます。
ただし、これは最後に回します。構成が変われば文が消えるからです。
指示文7:誤りを種類ごとに数える
あなたは英文の誤りの分類役です。
私の答案を渡します。日本語で次の表だけを出してください。
列は4つ。
「引用(誤りを含む最小の範囲) / 分類 / 直した形 / なぜ誤りか(20字以内)」
分類は次のどれかから1つだけ選ぶ。
時制・冠詞・単複・主述の一致・前置詞・語順・語形(品詞違い)・
綴り・コロケーション・句読点・その他
表の後に、次の2つだけを書く。
1. 分類ごとの件数を多い順に並べる
2. 件数が最も多い分類について、答案の中の該当箇所を全部並べる
条件
・意味が通る表現を好みだけで直さない。誤りだけを挙げる
・答案全体の書き直しはしない
・点数の推定はしない
この指示文の中心は、表の後の1番です。自分の誤りが1つの分類に偏っていることが、数で見えるからです。
公式PDFのGrammatical Range and Accuracyの説明には、「the density and communicative effect of grammatical errors」という項目があります。
density、つまり誤りの密度が見られていると書かれています。件数を数える意味はここにあります。
指示文8:3回投げて一致を取るための固定指示文
これから同じ答案について、独立した3回の点検の1回目を行います。
前の回答は参照できないものとして、ゼロから読んでください。
私の答案を渡します。日本語で、次の形式だけで答えてください。
指摘は最大7件。1件ずつ、次の3行で書く。
【箇所】答案からの引用(20語以内)
【種類】構成 / 課題への応答 / 語彙 / 文法 のどれか1つ
【直す方向】1行。具体的な書き直し文は書かない
条件
・7件を埋めるために軽い指摘を足さない。無ければ件数を減らす
・優先順位の高い順に並べる
・点数やバンドの推定は書かない
・褒め言葉と総評は書かない
この指示文は、新しいチャットを3つ開いて、まったく同じ本文で3回投げるために作っています。
使い方は次の見出しで説明します。
IELTSライティングでAIのバンドスコア推定を鵜呑みにしない3つの理由
AIに「これは何バンドですか」と聞いて返ってきた数字は、判断材料に使わないほうがよいです。
理由は3つあります。
理由1:採点しているのは認定を受けた試験官だと公式が書いている
ielts.orgのWriting test formatのMarkingの節には、こう書かれています。
Certificated IELTS examiners assess your performance on each Writing task.
ielts.org「IELTS Academic: Writing test format」より(2026年9月16日に確認)
認定を受けた試験官(Certificated IELTS examiners)が採点する、と明記されています。
AIが出す数字は、その試験官の判定を予想したものです。
予想である以上、当たるか外れるかを本番前に確かめる方法がありません。
理由2:基準の文言そのものが、程度を表す言葉でできている
公式のWriting Band Descriptorsを読むと、隣り合うバンドの違いが程度の言葉で書き分けられています。
Task2のBand 7には「A clear and developed position is presented.」とあります。
Band 8には「A clear and well-developed position is presented in response to the」と続きます(2026年9月16日に確認)。
developed と well-developed。この差を、誰が読んでも同じに割るのは簡単ではありません。
同じPDFには、a few / occasional / some / generally といった程度の語が、バンドの区別そのものとして何度も出てきます。
AIはこの文言を読めますが、読めることと、同じ基準で毎回同じ側に割ることは別です。
指導の場で同じ答案をAIに投げ直した範囲では、返ってくる推定値が回によって動くのを見ています。
理由3:Writingの点の作り方が、単純な平均ではない
ielts.orgのIELTS scoring in detailのページには、Writingについてこう書かれています。
Each task is assessed independently. The criteria are weighted equally and the score on the task is the average. The assessment of Task 2 carries more weight in marking than Task 1.
ielts.org「IELTS scoring in detail」より(2026年9月16日に確認)
タスクごとに独立して採点し、4基準は等しい重みで平均し、そのうえでTask2の重みが大きい、という3段構えです。
片方のタスクだけをAIに見せて「全体で何バンド」と答えさせても、この構造を踏んでいません。
そもそも1タスク分の材料しか渡していないので、出てくる数字は構造上の裏づけを持ちません。
IELTSライティングの添削は「同じ答案を3回投げて、一致した指摘だけ直す」
バンドの推定値の代わりに使えるのが、指摘の一致率です。
やり方は単純です。
- 新しいチャットを3つ開く
- 指示文8と、まったく同じ答案を、3つとも同じ本文で投げる
- 返ってきた指摘を、3列の表に並べる
- 3回とも同じ箇所を指しているものに印を付ける
- 印が付いたものだけを直す
- 1回しか出なかった指摘は、その日は触らない
3回とも同じ箇所を指す指摘は、答案の表面に出ている問題です。
読み手が誰であっても引っかかる可能性が高い、という意味になります。
1回しか出ない指摘は、読み方の揺れの範囲にあります。
そこを直しても、次の読み手には別の場所を指されます。だから後回しにします。
この見方の良いところは、数字を信じなくて済むことです。
「6.5です」という推定値を信じる必要はなく、「3回とも同じ段落を指された」という事実だけを使います。
一致の数え方の目安
| 3回のうち出た回数 | 扱い | その日の動き |
|---|---|---|
| 3回 | 答案の表面に出ている問題 | 今日直す |
| 2回 | 直す価値はあるが優先度は下 | 3回のものを直したあと、時間が余れば直す |
| 1回 | 読み方の揺れの範囲 | その日は触らない。次の答案でも出たら扱う |
同じ指摘が別の答案でも1回出たら、そのときは2回目として数えます。
自分の癖は、答案をまたいで出てくるからです。
IELTSライティングをAIで回す1週間の手順|Task1とTask2の配分
Task2の重みがTask1の2倍だと公式に書かれているので、練習の量もそこに合わせます。
1週間で、Task1を2本、Task2を4本。時間の配分も2対4です。
| 曜日 | 書くもの | 時間 | 投げる指示文 | その日に直すもの |
|---|---|---|---|---|
| 月 | Task2を1本 | 書く40分+直す25分 | 指示文4→5 | 立場のブレと、役割が不明な段落 |
| 火 | Task1を1本 | 書く20分+直す20分 | 指示文1→2 | 数字の不一致と、全体像の1文 |
| 水 | Task2を1本 | 書く40分+直す25分 | 指示文4→6 | 立場のブレと、L1の例 |
| 木 | 書かない | 30分 | 指示文7を月・水の答案に | いちばん多い分類の誤りだけ |
| 金 | Task2を1本 | 書く40分+直す25分 | 指示文8を3回 | 3回一致した指摘だけ |
| 土 | Task1を1本 | 書く20分+直す25分 | 指示文1→3 | 数字の不一致と、比較表現の重複 |
| 日 | Task2を1本 | 書く40分+直す25分 | 指示文8を3回 | 3回一致した指摘だけ |
木曜に書かない日を入れているのは、誤りの分類を数える日が要るからです。
毎回書いて毎回直すと、自分の癖が1つの表に集まりません。
書く時間は、Task1が20分、Task2が40分です。
この数字は公式ページの記述そのままです。練習でも同じ時間に揃えると、本番の配分が体に入ります。
直す時間を20〜25分に切っているのは、AIの回答を全部直そうとすると2時間かかるからです。
全部直しても、次の答案では同じ誤りが出ます。分類ごとに1つずつ潰すほうが早いです。
IELTSライティングをAIで添削するときの失敗5つ
指導の場でよく見るものを5つ挙げます。
失敗1:AIが書き直した英文をそのまま覚える
これがいちばん多いです。
AIの書き直し文は流暢ですが、自分が試験会場で再現できる範囲を超えていることがあります。
この記事の指示文がどれも「書き直し案は出さない」と縛っているのは、そのためです。
直す方向だけを受け取って、英文は自分で書き直します。
失敗2:Task1でAIに理由を聞いてしまう
「このグラフが2010年に急上昇したのはなぜ?」とAIに聞くと、答えが返ってきます。
それを答案に書くと、公式が「outside the given data」として外している領域に足を踏み入れます。
Task1で書くのは、図表から読めることだけです。
失敗3:箇条書きのまま答案にする
AIが整理してくれた箇条書きが読みやすいので、そのまま使ってしまう人がいます。
公式ページには、メモや箇条書きで書いた答案は penalised されると書かれています(2026年9月16日に確認)。
同じ箇所には、盗用については severely penalised という語が使われています。
AIが出した文章をそのまま自分の答案として提出するのは、この観点から避けたほうがよいです。
失敗4:語数を増やせば点が上がると思っている
公式ページには、150語や250語を超えて書いても penalise されないと書かれています。
ただし、そのすぐ後ろに続きがあります。
if you write a very long answer you may not have time for checking and correcting at the end, and some ideas may not be directly relevant to the question.
ielts.org「IELTS Academic: Writing test format」より(2026年9月16日に確認)
長く書くこと自体の罰はないが、見直す時間が消え、関係の薄い話が混ざる、という書き方です。
同じページには、Task1を長く書くとTask2に使える時間が減るという注意も書かれています。
失敗5:AIに毎回ちがう聞き方をする
「今日は構成を見て」「今日は語彙を見て」と毎回変えると、比較ができません。
同じ指示文を固定して回すと、返ってくる指摘の種類が変わったときに、それが自分の変化だと分かります。
指示文を固定することが、そのまま記録になります。
IELTSライティングとAIについてよくある質問
Task1とTask2、どちらを先に練習すべきですか
Task2からです。公式にTask2の重みがTask1の2倍と書かれているためです。
ただしTask1は型が決まっている分、伸ばしやすい面もあります。
この記事の1週間の表では、Task2を4本、Task1を2本にしています。
AIに図表の画像を渡してもよいですか
渡しても構いませんが、自分が読み取った数値のリストも一緒に渡してください。
画像だけを渡すと、AIの読み取りが正で自分の答案が誤、という前提で添削が進みます。
指示文1が(A)と(B)の2つを求めているのは、この事故を避けるためです。
General TrainingのTask1にもこの指示文は使えますか
指示文1から3はAcademicのTask1向けなので、そのままでは合いません。
General TrainingのTask1は手紙で、課題に3つの箇条書きで「何を書くか」が示される形だと公式ページに書かれています(2026年9月16日に確認)。
公式PDFのTask Achievementの説明でも、手紙の目的を明示すること、3つの箇条書きの要件すべてに対応すること、一貫した語調を使うこと、が項目として挙げられています。
そのため、指示文4の1番を「3つの箇条書きの要件を並べる」に差し替えて使うほうが近くなります。
Task2については、AcademicもGeneral Trainingも最低250語で、評価基準の名前も同じです。
AIが出した指摘が公式の基準と食い違うことはありますか
あります。判断に迷ったら、公式のWriting Band Descriptors(PDF)を自分で開いて、該当するバンドの欄を読むのが早いです。
このPDFは ielts.org で公開されていて、誰でも読めます(2026年9月16日に取得して確認)。
表紙には Updated May 2023 と書かれています。
AIの言葉より、この4ページの表のほうが短いです。
スコアの有効期間はどれくらいですか
ielts.orgのIELTS scoring in detailのページには、受験から2年間を有効と考えることを推奨する、と書かれています(2026年9月16日に確認)。
同じページには、受け入れ先の団体がそれより長い期間を認める場合もあるので、直接確認するようにとも書かれています。
提出先の要件は、その団体の案内で確かめてください。
まとめ|IELTSライティングのAI添削は指示文を2系統持つところから
Task1用とTask2用、2系統の指示文をメモアプリに置いておくだけで、AI添削の中身が変わります。
この記事の要点をもう一度並べます。
- Task1は図表の中の情報を移し替える課題、Task2は自分の立場を作って展開する課題(公式PDFの記述)
- Task1に投げるのは指示文1〜3(数字の照合/全体像の1文/比較表現の幅)
- Task2に投げるのは指示文4〜6(立場のブレ/段落の骨組み/具体例の段階)
- 語彙と文法の指示文7は、構成を直し終えてから最後に回す
- バンドの推定値は使わず、指示文8を3回投げて一致した指摘だけを直す
- Task2の重みはTask1の2倍なので、1週間の配分もTask2を4本・Task1を2本にする
今日やるなら、まず指示文8を1本コピーして、手元の答案を3つのチャットに投げてみてください。
3回とも同じ箇所を指された指摘が、今日直す1か所です。
この記事で書いていないこと
- 各AIサービスの料金と無料枠は、料金ページの本文を取得できなかったので書いていません
- 「この指示文で何バンド上がるか」は測る方法がないので書いていません
- AI添削サービスの精度の比較は、公開された検証データに自分で当たれなかったので入れていません
- Band 9の答案例は、公式が公開している範囲を実測できなかったので載せていません
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