
英検ライティングをAIで添削してもらうとき、最初に渡すものは答案ではありません。
受ける級と、英検が公開している採点の観点です。
ここを渡さずに答案だけ投げると、返ってくるのは「英語としてきれいな文章」への書き換えになります。
英検ライティングは、英語としてきれいかどうかを測る試験ではありません。
4つの観点それぞれに0〜4点が付き、その合計で決まります。
だから、観点を渡していない添削は、点に結びつかない直しを大量に返してきます。
この記事では、級別の前提条件テンプレート、コピーして使える指示文7本、1回20分の手順を置きます。
採点の観点・出題形式・試験時間は、すべて英検公式サイトの該当ページを直接取得して確認したものだけを書いています。
【結論】英検ライティングの添削は級と4観点をAIに渡すところから
英検ライティングをAIで添削する順番は1つです。
級と出題形式と4観点を先に渡し、そのあとで答案を貼ります。
理由は3つあります。
1つ目は、英検ライティングが観点別の採点だからです。
英検公式サイトは、準2級と3級について採点方法をこう書いています。
解答は4つの観点で採点されます。
観点ごとに0〜4点の5段階で評価され、得点の満点は16点となります(CSEスコアの満点は600)。
同じページの3級版では、満点16点は同じで、CSEスコアの満点は550です。
つまり、加点も減点も観点の中で起きます。
観点の外にある直しは、どれだけ英語として正しくても点を1つも動かしません。
2つ目は、級によって求められる中身が違うからです。
3級の観点1は「自分の考えとそれに沿った理由2つ」、1級・準1級・2級の観点1は「意見とそれに沿った理由」です。
理由の本数が指定されている級と、そうでない級があるということです。
級を言わなければ、AIはこの違いを踏まえられません。
3つ目は、AIが得意なのは「照合」であって「判定」ではないからです。
基準を文字で渡せば、AIはその基準と答案を1行ずつ突き合わせる作業を、人より速く正確にこなします。
逆に、基準を渡さないと、AIは自分の中の「良い英文」を基準にします。
ここが、英検ライティングの添削でAIを使って空振りする人の、ほぼ唯一の原因です。
英検ライティングの添削が的外れになる3つの理由
AIに答案だけ貼ったときに、何が起きているかを分解します。
指導の現場で答案とAIの出力を並べて見ていると、崩れ方は3通りしかありません。
| 崩れ方 | AIが返してくるもの | なぜ点が動かないか | 渡せば直るもの |
|---|---|---|---|
| ネイティブ化 | 語句をこなれた言い回しに置き換えた全文 | 観点3(語彙)の「課題に相応しい語彙を正しく使えているか」は、難語を使うことではない | 級と、その級の審査領域 |
| 文法だけ直し | 三単現・冠詞・時制の修正リスト | 4観点のうち1つしか触っていない。内容・構成・語彙は無傷のまま | 4観点の定義そのもの |
| 全面書き直し | AIが書いた模範解答 | 自分の答案のどこが何点なのかが分からず、次の1枚に持ち越せない | 「書き直さず、差分だけ出す」という条件 |
3つとも、AIの性能の問題ではありません。
指示の中に基準が入っていないだけです。
とくに3つ目の全面書き直しは、いちばん気持ちよく、いちばん残らない形です。
きれいな英文が返ってくるので添削された感覚は強いのですが、翌日に同じ問題を解くと同じ答案が出ます。
添削の目的は、次の1枚で自分の手が変わることです。
だから、指示文には「書き直しを出さない」という禁止を1行入れます。
英検ライティングの添削に使う公式4観点(内容・構成・語彙・文法)
ここがこの記事の中心です。
AIに貼り付けるのは、この表の「観点の定義」の列です。
英検公式サイトは、1級・準1級・2級用と準2級用と3級用で、観点の説明ページを分けて公開しています。
文言は級によってわずかに違うので、そのまま写します。
| 観点 | 1級・準1級・2級の定義 | 準2級の定義 | 3級の定義 |
|---|---|---|---|
| 観点1:内容 | 課題で求められている内容(意見とそれに沿った理由)が含まれているかどうか | 課題で求められている内容(意見とそれに沿った理由2つ)が含まれているかどうか | 課題で求められている内容(自分の考えとそれに沿った理由2つ)が含まれているかどうか |
| 観点2:構成 | 英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか | 英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか | 英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか |
| 観点3:語彙 | 課題に相応しい語彙を正しく使えているか | 課題に相応しい語彙を正しく使えているか | 課題に相応しい語彙を正しく使えているか |
| 観点4:文法 | 文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか | 文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか | 文法的に正しい英文が書けているかどうか |
見るべき差は2か所です。
観点1の理由の本数と、観点4の文言です。
準2級と3級は「理由2つ」と本数が指定されています。
3級の観点4だけが「文法的に正しい英文が書けているかどうか」で、文構造のバリエーションを求めていません。
逆に言えば、準2級より上は、正しいだけの単調な文の連続が観点4で伸びにくいということです。
この1文字の差を知らないまま添削を頼むと、3級の答案に「もっと多様な構文を」と返ってきます。
中学卒業程度の語彙で書く25〜35語の答案に、複文の多様性を求めるのは的外れです。
観点3の語彙は難語の数ではない
英検公式のアドバイス欄は、級によってまったく違うことを書いています。
1級・準1級・2級の語彙のアドバイスは、同じ語彙の繰り返しを避けて多様な語彙を使うこと。
準2級と3級の語彙のアドバイスは、正しい綴りや意味で使われているかを意識すること。
つまり、下の級では「間違えないこと」、上の級では「繰り返さないこと」が語彙の課題になります。
AIへの指示文も、この2つで分けます。
英語以外の語には説明を足す
3つの級のページに共通して載っている減点例が、日本語の単語をそのまま書くケースです。
3級では、omatsuri と hanabi は前後に説明がないため減点対象、suikawari は直後に英語の説明があるため減点対象になりません。
2級以上でも、salaryman は直後に who work for the company があるので減点されず、seifuku は説明がないので減点されます。
ローマ字の固有名詞そのものが禁止されているわけではありません。
説明が付いているかどうかだけが分かれ目です。
これはAIに検査させるのにちょうどいい項目です。
級によって英検ライティングの添削条件が変わる|2024年度リニューアル後の一覧
2024年度第1回検定から、3級以上のライティングの出題が変わっています。
英検公式のリニューアル特設ページに、級ごとの変更点が表で載っています。
ライティングに関わる部分だけを抜き出すと、次のとおりです。
| 級 | ライティングの出題 | 一次試験の筆記時間 | 審査領域「書く」の定義 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 意見論述に加えて要約問題(1題→2題) | リーディング・ライティング100分(変更なし) | 社会性の高い幅広い話題についてまとまりのある文章を書くことができる |
| 準1級 | 意見論述に加えて要約問題 | リーディング・ライティング90分(変更なし) | 社会性の高い話題についてまとまりのある文章を書くことができる |
| 2級 | 意見論述に加えて要約問題 | リーディング・ライティング85分(変更なし) | 社会性のある話題について書くことができる |
| 準2級プラス | 公式のリニューアル対象級(1級・準1級・2級・準2級・3級)に入っていない | リーディング・ライティング85分 | 身近な話題であれば、社会性のある話題について書くことができる |
| 準2級 | 意見論述に加えてEメール問題(1題→2題) | リーディング・ライティング80分(75分から延長) | 日常生活の話題について書くことができる |
| 3級 | 意見論述に加えてEメール問題 | リーディング・ライティング65分(50分から延長) | 身近なことについて書くことができる |
添削を頼むときに効いてくるのは、いちばん右の列です。
「社会性の高い幅広い話題」と「身近なこと」では、書くべき理由の抽象度がまるで違います。
3級の答案に社会統計を求めるのも、1級の答案を身近な体験で埋めるのも、どちらも外しです。
審査領域の1文をそのままAIに貼ると、この抽象度の当てはめをAIが自分でやってくれます。
ここは表を見て手で打つ必要はありません。
あとで出す前提条件テンプレートに組み込んであります。
英検公式が採点ページの本文で語数の目安を書いているのは、3級です。
3級のライティングテストでは、「自分の考えとその理由2つ」を書くことが課題となっており、語数の目安は25語〜35語とされています。
解答が極端に短い場合や理由が1つしか書かれていない場合は、減点の対象となります。
この記事では、公式ページから読み取れた語数の目安はこの3級の25〜35語だけを書きます。
他の級の語数は、受験する回の問題冊子に印刷されている指示文が一次情報です。
手元の過去問の表紙裏にある指示文をそのまま写して、AIへの指示文に貼ってください。
語数はAIが最も間違える項目です。
この記事の後半で、数えさせない方法を書きます。
英検ライティングの添削でAIに渡す前提条件テンプレート
毎回いちばん上に貼る固定のブロックを1つ作ります。
ここを固定すると、2回目からは答案を貼るだけで済みます。
スマホのメモ帳かテキストファイルに保存しておいてください。
【前提条件】
受験級: 2級
出題形式: 意見論述(TOPICに対する自分の意見と理由)
この級の「書く」の審査領域: 社会性のある話題について書くことができる
採点は次の4観点で行われ、観点ごとに0〜4点の5段階です。
観点1 内容: 課題で求められている内容(意見とそれに沿った理由)が含まれているかどうか
観点2 構成: 英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか
観点3 語彙: 課題に相応しい語彙を正しく使えているか
観点4 文法: 文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか
すべての観点で0点になる条件:
・TOPICに示された問いの答えになっていない
・全く関係のないTOPICについて書かれていると判断される
減点になる条件:
・自分が述べた意見に矛盾する理由や説明がある
・理由に対する具体例や説明が付いていない
・TOPICに関係の無い内容が含まれている(構成で減点)
・英語以外の単語に、その言語を知らない人向けの説明が付いていない
この前提条件は、以後の指示でも維持してください。
級を変えるときに書き換えるのは、上の3行と観点1・観点4だけです。
級別の差し替え文はこの表から拾ってください。
| 級 | 出題形式の行 | 観点1に入れる文 | 観点4に入れる文 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 意見論述/要約 | 意見とそれに沿った理由 | 文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか |
| 準1級 | 意見論述/要約 | 意見とそれに沿った理由 | 文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか |
| 2級 | 意見論述/要約 | 意見とそれに沿った理由 | 文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか |
| 準2級 | 意見論述/Eメール | 意見とそれに沿った理由2つ | 文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか |
| 3級 | 意見論述/Eメール | 自分の考えとそれに沿った理由2つ | 文法的に正しい英文が書けているかどうか |
準2級と3級には、もう1行だけ足すものがあります。
準2級の公式ページには、個人の経験だけで理由を書くと説得力に欠けると判断されて減点対象になる、という解説があります。
そこには具体的な直し方も書かれていて、生徒一般に通じる内容を理由にしてから、個人の経験を For example で具体例として足す形が示されています。
準2級を受けるなら、減点条件の欄に「個人の経験のみを理由にしている」を1行足してください。
英検ライティングをAIで添削する指示文7本(そのままコピーできます)
前提条件を貼ったうえで、目的ごとに1本ずつ投げます。
7本を全部使う日はありません。
1回の練習で使うのは2本です。
どの2本を選ぶかは、この章の最後の表に置きます。
4観点で点を付けさせる
いちばん最初に投げる1本です。
あなたは英検ライティングの採点者です。
上の【前提条件】だけを基準にしてください。あなた自身の英語の好みは使わないでください。
次の順番で、日本語で答えてください。
1. 観点1〜観点4のそれぞれに0〜4点を付け、表にする
2. 各観点について、点を下げた箇所を答案から原文のまま引用する
・引用は「答案の該当部分 → 何の観点で、なぜ下がったか」の形にする
・該当箇所が無い観点は「該当なし」と書く
3. 合計点を16点満点で出す
4. 次の1枚で直すと最も点が上がる箇所を1つだけ挙げる
禁止事項
・答案を書き直した全文を出さない
・褒め言葉と励ましを書かない
・前提条件に書かれていない基準(読みやすさ、ネイティブらしさなど)で減点しない
・判断できない箇所は「判断できない」と書く
TOPIC:
(このあとに貼り付けます)
私の答案:
(このあとに貼り付けます)
「点を下げた箇所を原文のまま引用する」が肝です。
引用を求めると、AIは実在しない欠点を作りにくくなります。
0点の条件だけを検査する
点を付けさせる前に、これだけを先に投げる日もあります。
上の【前提条件】のうち、「すべての観点で0点になる条件」だけを検査してください。
点数は付けないでください。
1. TOPICに示された問いを、日本語で1文に言い換えて書く
2. 私の答案が、その問いに対する答えになっているかを Yes / No で答える
3. No の場合、答案が代わりに何について書いているかを日本語で1文で書く
4. Yes の場合、答えに当たる英文を答案から1文だけ引用する
この4つ以外は書かないでください。
TOPIC:
(このあとに貼り付けます)
私の答案:
(このあとに貼り付けます)
TOPICの問いの答えになっていない場合は、すべての観点で0点と採点されることがあります。
公式の解説にある例は、カジュアルな服装を許容する会社が増えるかどうかというTOPICに対して、ジーンズの説明だけで終わっている答案でした。
本人は書けているつもりで、問いの2文目に答えていないという形です。
これは自分では気付けません。
だから、TOPICを日本語に言い換えさせる工程を、点数より前に置きます。
理由の矛盾だけを探させる
3つの級のページすべてに載っている減点例が、意見と矛盾する理由です。
私の答案について、「意見と矛盾する理由や説明」だけを探してください。
手順
1. 答案の中で、私が選んだ立場(Yes か No か、A か B か)を1文で書く
2. 答案の中の理由と説明を、出てきた順にすべて箇条書きで抜き出す(英文を原文のまま)
3. 抜き出した各項目に、次のどれかを必ず付ける
(a) 立場を支える
(b) 反対の立場を支えている
(c) どちらとも言えない
4. (b) と (c) が付いた項目について、立場を支える形に変える日本語の方針を1行ずつ書く
・英文は書かないでください。日本語の方針だけにしてください
私の答案:
(このあとに貼り付けます)
「英文は書かず日本語の方針だけ」にするのが、この1本の狙いです。
英文をもらうと写して終わります。
方針だけをもらうと、自分の手で書き直すしかなくなります。
理由の説明不足を洗う
英検公式は、理由を書くときに具体的な例や説明を付け加えるよう繰り返し書いています。
私の答案の理由について、説明や具体例が足りているかだけを見てください。
1. 理由をすべて抜き出し、1つずつ次の問いを立てる
・「なぜそれが問題なのか」「それが起きると何が変わるのか」に答えているか
2. 答えていない理由には「説明なし」と付ける
3. 「説明なし」の理由それぞれについて、どんな問いに答えれば説明になるかを
日本語の質問文の形で2つずつ出す
4. 最後に、答案全体で「説明なし」が何件あるかを数える
条件
・英文の例文は出さないでください
・理由の良し悪しの評価はしないでください。説明の有無だけを見てください
私の答案:
(このあとに貼り付けます)
返ってくるのは日本語の質問文だけです。
それに英語で答えると、それがそのまま説明の1文になります。
英語以外の語を洗い出す
日本の受験者にとって、いちばん取りこぼしやすい減点です。
私の答案から、英語ではない単語(日本語のローマ字表記、固有名詞、和製英語)を
すべて抜き出して表にしてください。
表の列
・該当語
・その語の前後に、英語による説明が付いているか(あり / なし)
・「あり」の場合は、説明に当たる英語部分を原文のまま引用
・「なし」の場合は、どんな情報を足せば日本語を知らない人に伝わるかを日本語で1行
補足
・和製英語(英語では別の意味になる語)も対象に含めてください
・該当が0件なら「0件」とだけ書いてください
私の答案:
(このあとに貼り付けます)
和製英語を対象に入れておくのがコツです。
自分では英語のつもりで書いた語が、説明の要る語として上がってきます。
語彙の繰り返しを潰す
2級以上の観点3で効いてくる1本です。
私の答案の語彙について、次の2つだけを出してください。
1. 内容語(名詞・動詞・形容詞・副詞)のうち、2回以上使われている語を
出現回数の多い順に表にする(冠詞・前置詞・be動詞は除く)
2. 3回以上使われている語それぞれについて、
この答案の文脈で置き換えられる語を3つずつ挙げ、
置き換えたときに意味がどう変わるかを日本語で1行ずつ添える
条件
・答案の書き直しは出さないでください
・難しい語を勧めないでください。その級の話題の水準に収まる語だけを出してください
受験級: (前提条件のとおり)
私の答案:
(このあとに貼り付けます)
「意味がどう変わるか」を必ず付けさせてください。
類語だけを並べられると、意味のずれた語に置き換えて観点3を落とします。
要約問題を採点させる
1級・準1級・2級で2024年度から加わった要約問題用です。
これは英検の要約問題の答案です。
原文と私の要約を渡します。
1. 原文を意味のまとまりごとに分け、各まとまりの主張を日本語で1行ずつ書く
2. 私の要約が、どのまとまりを拾い、どのまとまりを落としたかを表にする
列は「原文のまとまり / 拾った・落とした / 私の要約の該当英文(原文のまま)」
3. 私の要約の中に、原文に書かれていない内容が入っていないかを調べ、
入っていればその英文を引用する
4. 原文の表現をそのまま写している箇所を、3語以上の一致で全部挙げる
条件
・要約の書き直しは出さないでください
・良し悪しの総評は書かないでください
原文:
(このあとに貼り付けます)
私の要約:
(このあとに貼り付けます)
要約問題で見るのは、拾い漏れと、原文の丸写しの2つです。
4番の「3語以上の一致」は、人が目で追うと時間がかかる作業なので、AIに向いています。
準2級と3級のEメール問題を添削したいときは、⑦の1番を「メール文の中で相手が尋ねている内容」に置き換えて使ってください。
拾うべき質問に全部答えたかを表にさせる、という構造は同じです。
その日に投げる2本の選び方
1本目は①で固定します。
2本目を、①の結果で選びます。
| ①でいちばん低かった観点 | 2本目に投げる指示文 | その日に書き直す範囲 |
|---|---|---|
| 観点1 内容 | ②0点の条件だけを検査する | 1文目の意見表明だけ |
| 観点2 構成 | ③理由の矛盾だけを探させる | 理由の並び順と接続詞だけ |
| 観点1と2が同点 | ④理由の説明不足を洗う | 理由の直後の1文ずつ |
| 観点3 語彙 | ⑥語彙の繰り返しを潰す(下位級は⑤) | 繰り返している語の2回目以降 |
| 観点4 文法 | ①の引用リストだけを使う | 引用された文だけ |
1日に4観点すべてを直さないでください。
1枚につき1観点です。
英検ライティングの添削を1回20分で回す手順(分単位)
毎日この型で回すことを想定した手順です。
答案を書く時間は含みません。
書き終わった答案が手元にある状態から始めます。
| 時間 | やること | 使うもの | 終わったときに手元にあるもの |
|---|---|---|---|
| 0〜2分 | 前提条件テンプレートを貼り、級と出題形式の行を今日の級に直す | 保存してあるテンプレート | 基準を積んだチャット1本 |
| 2〜3分 | TOPICと答案を貼って①を投げる | 指示文① | 4観点の点数表と、減点箇所の引用 |
| 3〜6分 | 引用された箇所に、紙の答案側で下線を引く | 紙とペン | 自分の答案の上に可視化された減点 |
| 6〜8分 | いちばん低い観点を決め、対応する2本目を投げる | 選び方の表 | 直す範囲が1つに絞られた状態 |
| 8〜15分 | AIの英文を見ずに、自分で書き直す(直すのは1観点だけ) | 紙とペン | 書き直した答案1枚 |
| 15〜18分 | 書き直した答案だけを貼って、①をもう一度投げる | 指示文① | 直す前と直した後の点数の差 |
| 18〜20分 | 上がった観点と上がらなかった観点を1行ずつメモする | ノート | 明日どの観点から始めるかの1行 |
8〜15分でAIの英文を見ないのが、この手順の全部です。
ここを飛ばして書き直し版を写すと、20分が5分で終わります。
そして翌日、同じ答案を書きます。
英検ライティングは、試験会場でAIが使えません。
鍛える対象は「自分の手で直せる範囲」なので、直す工程だけはAIから切り離します。
新しいTOPICを毎日拾う必要はありません。
同じTOPICで、初日は内容、2日目は構成、3日目は語彙と文法、と観点をずらします。
同じ題材だと、点数の差がそのまま自分の変化として読めます。
TOPICを毎日変えると、点数が上下した理由が題材の難しさなのか自分の手なのか分かりません。
3日で1TOPIC、1週間で2TOPIC。
それで十分です。
0点・減点になる条件を、英検ライティングの添削で先に検査する
英検公式は、観点の説明とは別に「解答作成時の注意点」を級別に公開しています。
ここに書かれているものは、加点の話ではなく「落ちる穴」の話です。
穴を埋めるほうが、点の動き方は大きくなります。
| 公式が挙げている条件 | どうなると書かれているか | 載っている級 | AIに投げる検査の問い |
|---|---|---|---|
| TOPIC/QUESTIONの問いに答えていない | すべての観点で0点と採点されることがある | 1級・準1級・2級/準2級/3級 | 問いを日本語で言い換えさせ、答案が答えになっているかをYes/Noで出させる |
| 英語ではない単語に説明がない | 減点対象 | 1級・準1級・2級/準2級/3級 | 非英語の語を全部抜かせ、前後の英語の説明の有無を表にさせる |
| 意見と矛盾する理由や説明がある | その理由は理由としてカウントできず減点の対象 | 1級・準1級・2級/準2級/3級 | 理由を全部抜かせ、立場を支えるか反対を支えるかを分類させる |
| 理由に対する説明や補足がない | 説得力に欠け、具体例や説明を加えるよう指示されている | 1級・準1級・2級/準2級/3級 | 各理由に「なぜそれが問題か」に答えているかを判定させる |
| 関係の無い内容が含まれている | 論理に一貫性がないと判断され、構成の点で減点の対象となることがある | 1級・準1級・2級/準2級/3級 | TOPICと無関係な文を引用で出させる |
| 個人の経験のみで理由を書いている | 説得力に欠けると判断され減点対象となることがある | 準2級 | 主語がIや身近な人だけの理由を数えさせる |
| 解答が極端に短い/理由が2つ書かれていない | 減点の対象(3級は語数の目安25〜35語) | 3級 | 理由の個数を数えさせる(語数は自分で数える) |
| 自分の考えがはっきり書かれていない | 理由らしき内容があっても減点の対象 | 3級 | 意見表明に当たる1文を引用させ、無ければ「なし」と出させる |
いちばん上の行だけが0点で、残りは減点です。
重さがまるで違います。
だから、指示文②を1本目に置く日があるわけです。
準2級と3級の注意点ページには、採点以前の話も書かれています。
Writing解答用紙は機械的に処理を行います。
正しく採点されるためにも以下の注意点をよく読んだうえで、試験に臨んでください。
続けて、文字をはっきり分かりやすく濃く書くこと、数字の1と小文字のl、数字の2とZなど似ている文字を判別できるよう書くこと、消しゴムの消しくずや消し残しを残さないこと、が挙げられています。
これはAIが1文字も助けてくれない領域です。
画面上で完璧な答案が書けても、紙の上で1とlが同じ形なら、そこは読まれません。
AI添削を使う人ほど、答案を紙に書く工程を飛ばしがちです。
英検ライティングの添削でAIがよく外す5つ
指導の現場でAIの出力と答案を突き合わせていると、外し方には型があります。
先に知っておくと、返ってきた出力のどこを疑えばいいかが決まります。
級を無視して直す
前提条件を渡していても、途中から級を忘れて語彙を上げてきます。
長いやりとりの後半で起きやすい崩れです。
対策は、1つの答案につきチャットを1本使い切って、次の答案では新しいチャットを開くことです。
語数を数え間違える
これは外し方として最も多く、かつ最も分かりやすいものです。
語数の判定をAIに任せると、数語ずれた数字を自信を持って返してきます。
3級の目安は25〜35語という狭い幅なので、数語のずれが判断を変えます。
語数だけは、答案の紙の上で自分の指で数えてください。
試験本番でも自分で数えるので、この作業は練習としても無駄になりません。
理由の矛盾を見逃す
文単位で読むと、矛盾した理由も1文としては正しい英語です。
AIは文単位の整合性に強く、答案全体の立場の一貫性には弱い傾向があります。
指示文③のように、立場を1文で先に言わせてから理由を分類させると拾えます。
模範解答にすり替える
「書き直さないでください」と書いても、説明の中に完成した英文を混ぜてきます。
これは禁止を守っていないというより、説明する過程で自然に出てしまうものです。
対策は、出力を読む前に、書き直す時間を先にタイマーで確保しておくことです。
存在しない減点を作る
点を付けろと言われると、AIは何かしら下げる理由を探します。
その結果、答案に書かれていない内容を指摘することがあります。
だから指示文①には「点を下げた箇所を答案から原文のまま引用する」を入れてあります。
引用できない指摘は、その場で捨ててください。
AIの添削結果を英検ライティングの正解にしない|3つの照合
AIの出力は、採点の予想であって採点ではありません。
そのまま信じずに、週に1回だけ照合の時間を取ります。
照合する先は3つです。
- 英検公式の該当級の「採点に関する観点および注意点」ページを開き、AIが使った基準がそこに書かれている文言と合っているかを見る
- 実際の試験の成績表に出るライティングのCSEスコアと、AIが付けた点の動き方が同じ向きかを見る
- 市販の過去問集や公式の解答例に載っている答案を、AIに同じ指示文で採点させて、極端に低い点が出ないかを見る
3つ目がいちばん手軽で、いちばん効果があります。
公開されている解答例を投げて、AIが4観点で低い点を付けてきたら、その指示文は基準がずれています。
そのときは、前提条件の中に自分が足した余計な条件が無いかを確かめてください。
「読みやすさ」「自然さ」といった、公式に無い言葉を前提条件に混ぜると、そこから基準が滑ります。
手書き解答を英検ライティングの添削に乗せる手順
紙で書いた答案をAIに渡すとき、写真をそのまま投げるのは勧めません。
理由は、AIが読み取りの段階で綴りを勝手に直してしまうからです。
綴りの誤りは観点3で減点される対象なので、読み取りで消えると添削の意味が変わります。
手順は2段階に分けます。
| 段階 | やること | 投げ方 | 確かめること |
|---|---|---|---|
| 読み取り | 写真を渡して「書かれている文字をそのまま写す。綴りや文法を直さない」とだけ指示する | 採点の指示は一切入れない | 出てきたテキストを、紙と1語ずつ突き合わせる |
| 採点 | 突き合わせて直したテキストを、新しいチャットに貼る | 前提条件+指示文① | 綴りの誤りが観点3の減点として拾われているか |
読み取りと採点を同じチャットでやらないでください。
同じチャットだと、読み取りの段階で直した綴りを、採点でも正しいものとして扱います。
突き合わせの作業は1分かかりませんが、ここを飛ばすと綴りの癖が一生直りません。
自分が毎回落とす文字は、だいたい3つか4つに固定されています。
読み取りの突き合わせを1週間やると、その3つか4つが名前つきで見えてきます。
英検ライティングをAIで添削しても動かないもの|英語講師としての観察
AI添削で動く部分と、動かない部分があります。
指導の場で見ている限り、境目ははっきりしています。
| AI添削で動くもの | 動きにくいもの |
|---|---|
| 意見と理由が噛み合っていない状態の発見 | 本番の時間内に書き切る速さ |
| 説明が抜けている理由の特定 | 手で書く文字の読みやすさ |
| 同じ語を繰り返す癖の可視化 | TOPICを読んで立場を決めるまでの時間 |
| 非英語の語に説明を足す習慣づけ | 下書きなしで構成を組む力 |
| 綴りと語形の誤りの棚卸し | 試験会場で手が止まったときの立て直し |
右の列は、全部「自分ひとりで、制限時間の中で」やる作業です。
AIに渡せる形になっていない工程は、AIでは動きません。
だから週に1回は、AIを開かずに時間を計って1枚書く日を入れてください。
30歳・英検3級から始めた見方
私が英語をやり直したのは30歳のときで、出発点は英検3級の力でした。
そのあと語学学校、ワーキングホリデー、大学という3つの形で留学し、初めての海外勤務はオーストラリアでした。
当時いちばん時間を食ったのは、書いたものを誰かに見てもらうまでの待ち時間でした。
1枚書いて、週に1回の授業まで持っていって、返ってくるのはその次の週です。
2週間前に何を考えて書いたかを、もう覚えていません。
AIが変えたのはこの待ち時間です。
書いた直後に、自分の答案の弱点が観点別に並ぶ。
この即時性だけで、練習の回転数が変わります。
逆に言えば、AIが増やしてくれるのは回転数であって、1回の質ではありません。
カリフォルニアで見ている使われ方
現在はカリフォルニアに住んでいて、英語コーチとして日本の学習者を見ています。
伸びが止まる人に共通しているのは、AIに添削させた回数が多いことではなく、自分で書き直した回数が少ないことです。
チャット履歴には20枚の添削が並んでいるのに、書き直した答案は2枚、という状態です。
この場合、添削の回数を減らして書き直しの回数を増やすほうが前に進みます。
1枚の答案に対して、添削1回・書き直し1回・再添削1回。
この3回で1セットです。
英検ライティングの添削についてよくある質問
無料のAIでも英検ライティングの添削はできますか?
この記事の指示文は、テキストを貼って日本語で返してもらうだけの構造なので、特定の有料機能を前提にしていません。
分かれ目は料金ではなく、前提条件を長く貼っても最後まで保持してくれるかどうかです。
途中で級を忘れる挙動が出たら、答案1枚ごとに新しいチャットを開いてください。
AIが付けた点数は本番と同じですか?
同じにはなりません。
英検ライティングは英検協会の採点者が採点するもので、AIの出力は基準を当てはめた予想です。
使いどころは、絶対値ではなく「直す前と直した後でどの観点が動いたか」という差分です。
3級でもAI添削を使う意味はありますか?
あります。
3級の減点条件として公式が挙げているのは、理由が2つ書かれていない、自分の考えがはっきり書かれていない、接続詞が無くて構成が分かりにくい、といった項目です。
どれも英語力ではなく、答案の形の問題なので、基準を渡したAIで拾えます。
ただし3級の観点4は「文法的に正しい英文が書けているかどうか」なので、構文の多様性を求める指示は外してください。
要約問題はAIで練習できますか?
拾い漏れの検出と、原文の丸写しの検出は、AIに向いています。
指示文⑦がそのための型です。
要約問題は1級・準1級・2級で2024年度第1回検定から加わった形式なので、それ以前の過去問には載っていません。
練習素材は、リニューアル対応済みの回の過去問から取ってください。
AI添削で書いた文をそのまま本番で使ってもいいですか?
本番で書くのは自分なので、覚えて書けるなら問題はありません。
ただし、AIが出した英文を覚える戦略は、TOPICが変わった瞬間に使えなくなります。
覚える価値があるのは英文ではなく、意見表明・理由・説明・まとめという並べ方のほうです。
添削は毎日やるべきですか?
毎日である必要はありません。
この記事の手順は1回20分なので、週に3回でも1か月で12枚になります。
枚数より、1枚につき書き直しまで終わっているかどうかを数えてください。
まとめ|英検ライティングの添削は級と観点を渡すところから
やることは3つだけです。
1つ目は、受験級と出題形式と4観点の定義を、前提条件として先に貼ること。
2つ目は、点を下げた箇所を答案から原文のまま引用させて、引用できない指摘を捨てること。
3つ目は、書き直す工程だけはAIを閉じて、自分の手でやること。
この3つを守ると、20分の中身が毎回変わります。
逆に、答案だけを投げる使い方に戻ると、きれいな英文が返ってきて、何も残りません。
今日やるなら、まず前提条件テンプレートをメモ帳に保存してください。
保存してしまえば、明日から答案を貼るだけで添削が始まります。
書いた英文を声に出して読む段階まで来たら、発音を音ごとに採点してくれるアプリを1つ持っておくと、自分では気づきにくい音のずれが点数で見えます。
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この記事の情報の取り方
- 採点の4観点の文言と、0点・減点になる条件は、2026年9月21日に英検公式サイトの級別の採点ページを直接取得して、本文の表記をそのまま写しています
- 2024年度のリニューアル内容(要約問題・Eメール問題の追加、試験時間の延長)は、同日に英検公式のリニューアル特設ページの表から読み取りました
- 各級の試験時間と審査領域は、同日に英検公式の級別ページと「各級の審査基準」ページから取りました
- 語数の目安は、公式ページの本文で確認できた3級の25〜35語だけを書いています。他の級の語数は本文に書いていません
- 合格基準スコアや級別の配点比率は、この記事の作成時に一次ソースを確認していないので1件も書いていません
- 各AIサービスの料金・無料枠・精度の比較は、公式の表記を実測できた範囲に限れなかったため入れていません
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