英語の長文読解の練習で、いちばん多い終わり方があります。
英文を読んで、和訳を確認して、知らない単語を書き出して、終わりにすることです。
この回し方だと、自分が「どこで読み違えたのか」が1つも記録に残りません。
訳文は、指示語を取り違えたままでも、逆接の向きを逆にしたままでも、それらしく作れてしまうからです。
読み方の癖を出す方法は1つです。英文を読んだあとに、設問に答えることです。
設問は、自分では作れません。答えを知っている人間は、自分の穴を突く問題を作れないからです。
そこがAIの仕事になります。手元の英文を渡せば、設問は何問でも出てきます。
この記事では、つまずく原因の切り分け表、コピーして使える指示文7本、1回20分の手順を分単位で置きます。
扱わないものも先に書きます。読む量を増やす話は扱いません。1本の英文を深く読む側だけに絞ります。
数字を出した箇所は、一次ソースを2026年9月16日に確認したものだけです。
【結論】英語の長文読解をAIで練習するなら、設問を作らせて読み方の癖を先に出します
長文読解の練習は、4手で回します。英文を選ぶ、AIに設問を作らせる、自分で解く、間違いをAIに分類させる。この順番です。
AIに「この英文を訳して」と投げるのは、この4手のどこにも入っていません。
理由は3つあります。
1つ目は、和訳が「読めたかどうか」の判定にならないことです。
訳せたのに設問を外す、という現象は長文読解では普通に起きます。逆は起きにくいです。
訳は語の並び替えでも作れますが、設問は文と文のつながりを取れていないと答えられません。
2つ目は、設問にすると間違いが「分類できる形」で出ることです。
「なんとなく読めなかった」は直せませんが、「指示語を3問続けて外した」は直せます。
3つ目は、AIにとって設問作りが得意な作業だからです。
答えが渡した本文の中にある作業は、AIが安定して処理できる側に入ります。
逆に、本文を渡さずに「私はなぜ長文読解が苦手なのですか」と聞くと、一般論しか返りません。
毎日読みましょう、単語を増やしましょう、で終わります。
材料を渡すかどうかで、返ってくるものが変わります。材料とは、英文と、自分が選んだ選択肢のことです。
そして、AIの出力を信用しきらないための条件も1つ決めておきます。
正解を出させるときは、必ず「根拠になる英文を本文から1文そのまま引用させる」ことです。
引用が出せない設問は、その場で捨てます。これで、本文に無い答えを掴まされる事故が減ります。
英語の長文読解でつまずく原因は4つ|AIを当てる前に切り分ける表
長文読解が苦しい理由は、大きく4つしかありません。
語彙、文構造、背景知識、そして読む速度と設問処理です。
この4つは、必要な手当てがまったく違います。混ぜたまま練習すると、時間だけが減ります。
切り分けは、AIに聞かなくても自分で終わります。3つの質問に答えるだけです。
- 質問1:時間を無制限にして、辞書も使って読み直したら、内容が取れますか。取れるなら原因は④です。
- 質問2:未知語の意味を全部与えられたら、内容が取れますか。取れるなら原因は①です。
- 質問3:同じ内容の日本語の文章を読んだら、内容が取れますか。取れるなら原因は②、取れないなら原因は③です。
3つの質問で、原因はほぼ1つに絞れます。絞れたら、下の表の右端だけを実行します。
| 原因 | 自分での見分け方 | 出る症状 | その日にやること | AIの使い道 |
|---|---|---|---|---|
| ①語彙が足りない | 未知語の意味を全部与えられると内容が取れる | 意味の分からない語が1行に2語以上ある。読む速度が語のところで止まる | その英文の未知語だけを先に潰す。1本あたり10語までに切る | 未知語を頻度順に並べ、その文脈での意味だけを1行で出させる |
| ②文構造が取れない | 語の意味は全部分かるのに、文の意味が決まらない | 長い1文になると主語が分からなくなる。修飾がどこに掛かるか迷う | 読めなかった1文だけを取り出し、主語と動詞に印を付ける | 1文の骨格(主語・動詞・目的語)と、修飾の掛かり先を図の形で出させる |
| ③背景知識が無い | 日本語に直しても、何の話か分からない | 1語も知らない語が無いのに、筆者の立場が読めない | その分野の前提を日本語で3行だけ入れてから読み直す | その英文のテーマについて、前提を日本語で5行にまとめさせる |
| ④速度と設問処理 | 時間無制限なら取れるが、制限時間だと落ちる | 後半が丸ごと残る。設問に戻って本文を探す時間が無い | 設問を先に読む順番を固定する。1問あたりの持ち時間を決める | 答えが本文のどのあたりにあったかを、設問ごとに出させる |
4つのうち2つ以上に当てはまることは、普通にあります。
その場合も、1回の練習で当てるのは1つだけです。
選ぶ順番は、①→②→③→④です。
語彙と構造が抜けていると、速く読む練習をしても速くならないからです。
③の背景知識だけは、英語の問題ではありません
背景知識が原因のとき、英語の練習を足しても解決しません。
ここで取るべき手は2つです。前提を日本語で入れてから読むか、素材のジャンルを変えるかです。
試験が目的なら、出題ジャンルが決まっているので前提を入れる側を選びます。
目的が読む力そのものなら、自分が日本語で読めるジャンルに素材を寄せたほうが早いです。
長文読解の穴を可視化する手順|AIに設問を作らせる5ステップ
ここからが本体です。設問を先に作らせて、自分の読み方を測ります。
5つのステップで進めます。順番を入れ替えると測定になりません。
ステップ1:英文を1本決める
長さは200語から400語に収めます。短すぎると設問が作れず、長すぎると20分で終わりません。
素材の決め方は、後の章で数字を使って決めます。
ステップ2:先に自分で読む。辞書は使わない
読み始める前に、時間を測り始めます。秒まで記録します。
この段階で辞書を引くと、あとで「語彙が原因か」を判定できなくなります。
読み終わったら、内容を日本語で3行だけメモします。訳ではなく、要点です。
ステップ3:AIに設問を作らせる
指示文の型は次の章に置きます。要点は、設問の種類の内訳を自分で指定することです。
指定しないと、事実確認の設問ばかりが出ます。それでは読み方の癖が出ません。
そして、正解と解説を同じ返信で出させないことが条件です。
同じ画面に答えがあると、目に入ります。これで1回分の測定が消えます。
ステップ4:解く。本文は見てよい
長文読解の設問は、本文を見ながら解いて構いません。記憶力の測定ではないからです。
ただし、時間は測ります。8問で3分から5分を目安にします。
自信のない問題には、その場で印を付けます。この印が後の工程で使えます。
ステップ5:答え合わせは、根拠の引用つきで出させる
正解だけを見ても、次につながりません。根拠の1文を本文から引用させます。
合っていた問題でも、根拠の文が自分の思っていた箇所と違うことがあります。
それは「たまたま当たった問題」です。間違えた問題と同じ扱いにします。
印を付けておいた問題と照らし合わせると、当てずっぽうの割合がそのまま出ます。
長文読解の設問をAIに作らせる指示文|そのままコピーして使う型
設問の型は5種類に決めておきます。これが読み方の穴の分類とそのまま対応します。
| 設問の型 | 何を測っているか | 外したときに疑うもの |
|---|---|---|
| 主旨 | 文章全体で筆者が何を言いたいか | 段落ごとの役割を追えていない。細部に寄りすぎている |
| 指示語 | it / this / these / they が何を指すか | 前の文に戻る習慣が無い。近い名詞に飛びついている |
| 論理関係 | 逆接・因果・譲歩の向き | 接続表現を飛ばして読んでいる。向きを逆に取っている |
| 言い換え | 本文の表現と選択肢の表現が同じ内容か | 同じ語が使われている選択肢を選んでいる |
| 推論 | 書いていないが、本文から必ず導ける内容か | 常識や自分の意見を足している |
下の指示文は、そのまま貼り付けて使えます。英文だけ差し替えてください。
あなたは英語読解の問題作成者です。次の英文だけを材料に、設問を8問作ってください。
条件1:内訳は「主旨1問/指示語2問/論理関係2問/言い換え2問/推論1問」とする。
条件2:設問文と選択肢は英語で書く。選択肢は4つ。
条件3:正解の根拠が本文の中にある形にする。本文に書かれていないことを正解にしない。
条件4:この返信では設問と選択肢だけを出す。正解・解説・和訳・要約は出さない。
条件5:私が「採点」と送るまで、正解を出さない。
---英文---
(英文を貼り付ける)
解き終わったら、同じ会話の中で次の指示文を送ります。
自分の解答を先に書いてしまうのが要点です。あとから言い訳が効かない形にします。
採点
私の解答は次のとおりです。1-C 2-A 3-D 4-B 5-A 6-C 7-B 8-D
各問について、次の4つを表で出してください。
列1:正解
列2:正解の根拠になる英文を、本文から1文そのまま引用する
列3:私の答えが違う場合、私が選んだ選択肢がなぜ成り立たないか
列4:その問題で試している読み方(主旨・指示語・論理関係・言い換え・推論のどれか)
本文に無い情報で説明しないでください。根拠の文を示せない問題は「根拠なし」と書いてください。
「根拠なし」と返ってきた設問は、AIの作問ミスです。その問題だけ捨てます。
捨てた数も記録します。素材が難しすぎるとき、この数が増える傾向があります。
間違えた設問を分類させる|長文読解の「なぜ間違えたか」を6つに割る指示文
ここがこの練習のいちばん重い部分です。間違いを6つに割ります。
割る理由は単純です。原因が違えば、次にやることが違うからです。
「読解力が足りない」は原因ではありません。次の行動が1つも決まらないからです。
私が間違えた問題は 2・5・7 の3問です。
それぞれ、間違いの原因を次の6つから1つだけ選んで分類してください。
A 語彙:知らない語があって、その文の意味が決まらなかった
B 構文:修飾・省略・倒置で、文の骨格を取り違えた
C 指示語:it / this / they が指すものを取り違えた
D 論理関係:逆接・因果・譲歩の向きを取り違えた
E 設問:本文は読めていたが、設問の要求を読み違えた
F 推論:本文に書いていないことを足して選んだ
分類のあとに、その判断の根拠になる本文の該当箇所を1文ずつ引用してください。
最後に、3問で最も多かった分類を1つだけ挙げ、次回に絞る練習を1つだけ書いてください。
分類が返ってきたら、右の列だけを見ます。次の一手が書いてあります。
| 分類 | その週にやること | AIへの次の投げ方 |
|---|---|---|
| A 語彙 | 素材の難度を1段下げる。未知語は1本10語までに制限する | 未知語を頻度順に並べさせ、その文脈での意味だけ出させる |
| B 構文 | 読めなかった1文だけを毎日3文、骨格だけ取る練習に替える | 1文の主語・動詞・目的語と、修飾の掛かり先を出させる |
| C 指示語 | 読むときに、指示語へ出会うたび前の文に線を引く | 本文中の指示語を全部抜き出させ、指す先を一覧にさせる |
| D 論理関係 | 接続表現に印を付けてから読む。印の箇所は音読する | 段落ごとの論理の流れを、矢印つきの1行で要約させる |
| E 設問 | 設問文を読み終えたら、何を聞かれたかを日本語で言い直す | 設問文だけを日本語に直させ、自分の理解とずれた箇所を出させる |
| F 推論 | 選択肢を選ぶ前に、根拠の1文を指で押さえる習慣にする | 不正解の選択肢が、本文のどの語に引っ張られた誤答かを説明させる |
6分類のうち、EとFは英語力の問題ではありません。解き方の問題です。
ここが多い人は、単語を増やしても点が動きません。先にここを直すほうが早いです。
逆にAが7割を超えたときは、素材が自分に合っていないという合図です。
読み方の練習をする前に、素材を替える判断をします。
長文読解は精読側の練習|この記事が扱う範囲と扱わない範囲
読む練習には、性質の違う2つの側面があります。深く読む側と、量を重ねる側です。
この記事で扱っているのは、深く読む側だけです。
設問を作らせて、間違いを分類して、読み方の癖を直す。これは1本の英文に時間を掛ける作業です。
量を重ねる側は、目的も測り方も別なので、この記事では扱いません。
| 項目 | この記事で扱う長文読解の練習 |
|---|---|
| 1回に読む英文 | 1本だけ。200語〜400語 |
| 1回の所要時間 | 20分 |
| 辞書 | 1回目は引かない。答え合わせの後で引く |
| 測る数字 | 読了時間、正答数、間違いの分類 |
| AIの役割 | 設問を作る、根拠を引用する、間違いを分類する |
| 扱わないもの | 読む量を増やす設計、速読の訓練、和訳の添削 |
範囲を狭めると、練習が毎回同じ形になります。同じ形だから、記録が比べられます。
比べられない記録は、続けても判断の材料になりません。
長文読解に使う英文の選び方|レベルを数字で決める
素材選びで失敗する人は、難しすぎるほうに寄せています。
難しすぎる英文では、間違いの分類がAの語彙だけで埋まります。読み方の練習になりません。
そこで、難度を感覚ではなく数字で決めます。使える数字は2つあります。
数字1:Flesch-Kincaid Grade Level(読みやすさの学年換算)
Microsoftのサポートページには、Wordの読みやすさ統計の読み方が書かれています(2026年9月16日に確認)。
Flesch-Kincaid Grade Level について「a score of 8.0 means that an eighth grader can understand the document」と記載されています。
スコアが米国の学年に対応していて、8.0なら8年生が理解できる文章、という意味です。
同じページには、Flesch Reading Ease は100点法で、点が高いほど読みやすいこと、多くの文書では60〜70が目安であることも書かれています。
この統計は、Microsoft 365版ではHomeタブのEditorからDocument statsで、旧版では校正の設定から表示させる、と案内されています。
出典=Get your document’s readability and level statistics(Microsoft サポート)
つまり、候補の英文をWordに貼れば、難度が数字で1つ出ます。
この数字は唯一の基準ではありません。使い方は「候補どうしの比較」です。
先週の素材が9.2で、今週の候補が13.5なら、飛ばしすぎだと判断できます。
数字2:語彙の頻度プロファイル
Compleat Lexical Tutor の VocabProfile は、「Vocabulary Profilers match text words to the divisions of a frequency list」と説明されています(2026年9月16日に確認)。
テキストを貼ると、語を頻度リストの段階ごとに分けて、語族数・異なり語数・延べ語数を出します。
頻度リストに載っていない語も、別枠で表示されます。
出典=VocabProfilers(Compleat Lexical Tutor)
難しい語がどれだけ入っているかを、自分の主観抜きで見られる、ということです。
数字3:自分の記録から出す、いちばん当てになる判定
3つ目は、外部のツールを一切使いません。前回の間違いの分類を見るだけです。
間違いの分類でAの語彙が半分を超えていたら、その素材は自分に対して難しすぎます。
語彙が原因の間違いばかりだと、指示語も論理関係も測れていないからです。
逆に、8問すべて正解で、印を付けた問題も0問なら、やさしすぎます。
間違いが出ない素材では、直すものが1つも見つかりません。
ちょうど良いのは、8問中1問から3問を外し、その内訳がA以外に散っている状態です。
この判定は、この記事で提案している運用の基準です。研究から導いた数値ではありません。
3つの数字のうち、いちばん当てになるのはこの3つ目です。自分の解答から出た数字だからです。
上の2つは、記録が溜まるまでの代用として使ってください。
長文読解用にAIへ英文を書き換えさせるときの注意|条件を付けないと練習が消える
素材が難しすぎるとき、AIに書き換えさせる手があります。ただし条件が要ります。
「やさしく書き直して」とだけ送ると、読みにくさの原因ごと消えます。
長い1文が3つの短文に割られ、指示語が名詞に置き換えられ、逆接が消えます。
その英文は、もう長文読解の練習素材ではありません。読める文章を読んだだけになります。
条件は3つです。情報を減らさない、指示語を残す、論理関係の向きを変えない。
そして、何を変えたかを一覧で出させます。これが後の判断で使えます。
次の英文を、私が読める難易度まで下げて書き直してください。
条件1:情報を1つも減らさない。段落の数と順番も変えない。
条件2:指示語(it / this / these / they)は減らさず、そのまま残す。
条件3:逆接・因果・譲歩を表す語は残す。言い換えてもよいが、関係の向きは変えない。
条件4:やさしくするのは語彙だけにする。1文の長さは元のままにする。
条件5:書き換えのあとに、変更した語を「元の語 → 変えた語」の一覧で出す。
---英文---
(英文を貼り付ける)
逆に、素材がやさしすぎるときは、語彙を変えずに構造だけ難しくさせます。
これは、間違いの分類でBの構文が多い人向けの使い方です。
次の英文を、語彙は変えずに、文の構造だけ難しく書き直してください。
条件1:使う単語は元の英文にあるものを優先し、新しい語を増やさない。
条件2:「2文を1文にまとめる」「関係詞で後ろから修飾する」「分詞構文にする」のいずれかを、合計4か所で使う。
条件3:情報を1つも減らさない。
条件4:書き換えのあとに、どの文をどの型で複雑にしたかを一覧で出す。
条件5:和訳は出さない。
---英文---
(英文を貼り付ける)
書き換えた英文で設問を作らせるときは、元の英文ではなく書き換え後を渡します。
混ぜると、本文に無い内容が正解になる設問が出ます。
書き換えを使った日は、記録に「書き換えあり」と残します。
書き換えた英文の正答数は、元の英文の正答数と並べて比べられないからです。
長文読解の1回20分の回し方|分単位の手順表
毎回の形を固定します。固定しないと、記録が比べられません。
20分に収める理由は、これ以上長くすると素材選びから毎回やり直しになるからです。
| 時間 | やること | AIを使うか | この工程で記録するもの |
|---|---|---|---|
| 0〜1分 | 英文を開く。語数を数える。時計を出す | 使わない | 日付・語数 |
| 1〜5分 | 辞書なしで通して読む。分からない語には印だけ付けて進む | 使わない | 読了時間(秒) |
| 5〜6分 | 内容を日本語で3行メモする | 使わない | なし |
| 6〜7分 | 設問作成の指示文を送る | 使う | なし |
| 7〜11分 | 本文を見ながら8問を解く。自信のない問題に印を付ける | 使わない | 印を付けた問題数 |
| 11〜13分 | 自分の解答を書いて「採点」を送る | 使う | 正答数 |
| 13〜17分 | 根拠の引用を読む。合っていたが根拠が違う問題を洗い出す | 使う | たまたま当たった問題数 |
| 17〜19分 | 間違いの分類を出させる | 使う | 分類ごとの件数 |
| 19〜20分 | 未知語を最大10語まで書き出す。翌日の素材だけ決める | 使わない | 未知語の数 |
19分から20分の1分が、続くかどうかを分けます。
翌日の素材が決まっていないと、次の日は素材探しから始まって、そこで終わるからです。
20分で終わらない日は、設問数を8問から5問に落とします。
英文の長さを削るより、設問数を削るほうが練習の形を保てます。
長文読解で設問処理が間に合わないときの練習|先に読む順番を決める
原因の④、速度と設問処理は、試験を受ける人にとって最後の壁になります。
この壁は、読む速さだけの問題ではありません。設問と本文を往復する回数の問題です。
どれくらいの持ち時間になるのかは、試験の構成から計算できます。
IIBCが公開しているTOEIC Listening & Reading テストの構成ページには、リーディングが75分間・100問と記載されています(2026年9月16日に確認)。
同じページで、Part 5が短文穴埋め30問、Part 6が長文穴埋め16問、Part 7が「1つの文書:29問/複数の文書:25問」と記載されています。
Part 7だけで54問ある、という構成です。
75分・100問という記載から、1問あたりの平均は単純計算で45秒になります。
これは配分の目安であって、試験側が示している時間ではありません。計算の前提は上の2つの数字だけです。
この密度だと、本文を何度も往復する読み方は成立しません。
そこで、設問を先に読む練習を入れます。
次の英文で、設問を6問作ってください。今回は解く順番を変える練習です。
条件1:この返信では設問6問だけを出す。正解・根拠・要約・和訳は出さない。
条件2:各設問に、本文を探すときの目印になる固有名詞・数字・日付のどれかを1つ入れる。
条件3:設問の並び順は、答えが本文に出てくる順番と同じにする。
私は設問を先に読んでから本文を読み、3分で解きます。
「採点」と送ったら、正解と根拠の引用を表で出してください。
そのとき、各設問の答えが本文の前半・中盤・後半のどこにあったかも書いてください。
---英文---
(英文を貼り付ける)
この練習で見るのは正答数ではありません。本文に戻った回数です。
設問を先に読んだ日と、読まなかった日で、戻った回数を比べます。
先読みが効く人と、効かない人がいます。自分がどちらかは、この比較でしか分かりません。
効かない人が先読みを続けると、設問を覚える負荷だけが増えて遅くなります。
ここは一般論ではなく、自分の記録で決める箇所です。
長文読解でやりがちな失敗5つ|訳して満足する・知らない単語を全部引く
ここまでの手順を崩す失敗は、だいたい5つに収まります。
失敗1:訳して満足する
AIに和訳を出させて、自分の理解と照らして、合っていたから読めた、とする形です。
和訳の一致は、読めた証拠になりません。訳文が合っていても、指示語の指す先を外していることがあります。
訳は、答え合わせの後で、読めなかった1文だけに使います。
失敗2:知らない単語を全部引く
1本の英文から未知語を30語も40語も書き出すと、その日の練習は単語作業に変わります。
上限を10語に切ります。切れないほど未知語が多いなら、素材が合っていません。
引く語を選ぶ基準は1つです。その語が分からないせいで、設問を間違えたかどうかです。
設問に関係しなかった未知語は、その日は捨てます。次に出会ったときに引けば足ります。
失敗3:AIに要約させてから読む
先に要約を読むと、内容を知った状態で本文に入ります。
その状態では、主旨の設問も推論の設問も当たります。測定にはなりません。
要約を使うなら、答え合わせの後で、自分の3行メモと突き合わせる形にします。
失敗4:正解だけ見て次の英文へ進む
間違いを分類しないまま本数だけ重ねると、同じ型の間違いを何十回も繰り返します。
指示語を外し続けている人は、英文を100本読んでも指示語を外し続けます。
分類の2分が、次の10本分の中身を決めます。
失敗5:AIの設問と解説を丸ごと信じる
AIの作った設問には、本文から根拠が取れないものが混ざることがあります。
だから、正解には必ず本文からの1文引用を付けさせます。引用が出ない設問は捨てます。
この1手があるかどうかで、練習の信頼度が変わります。
捨てた設問の数も記録しておくと、素材とAIの相性が見えます。
長文読解の記録の付け方|1週間で見る3つの数字
記録は3つだけにします。増やすと、記録することが目的になります。
- 1分あたりの語数:語数 ÷ 読了時間(分)。速度の推移を見る
- 正答数:8問中で何問か。素材の難度が変わると動くので、単独では判断しない
- 間違いの分類:A〜Fのどれが何件か。次の週に絞る練習を決める材料になる
7日ぶんが溜まったら、表ごとAIに渡します。
1週間分の記録を渡します。列は「日付/語数/読了時間(秒)/正答数(8問中)/間違いの分類」です。
(記録を貼り付ける)
次の3つだけを出してください。数字で言えないことは「判断できない」と書いてください。
1つ目:1分あたりの語数が、7日間でどう動いたか。増減を数字で示す。
2つ目:間違いの分類で最も多かったものと、その件数と割合。
3つ目:来週の7日間で絞って練習する分類を1つだけ。理由は、渡した記録の数字だけで説明する。
励ましや、一般的な勉強法のアドバイスは書かないでください。
「励ましを書かないでください」の1行を入れると、返ってくる内容が変わります。
この1行が無いと、分析の前後に一般的な勉強法が足されて、判断に使う部分が埋もれます。
1週間で速度が動かなくても、それ自体は失敗ではありません。
見るのは、分類の内訳が変わったかどうかです。
Cの指示語が5件から1件に減っていれば、その週の練習は効いています。速度は後から動きます。
逆に、分類の内訳が3週間変わらないなら、練習の中身を変える合図です。
長文読解が止まる人に共通しているもの|英語講師としての観察
英語講師・英語コーチとして指導していて、長文読解で止まる人には共通点があります。
読んでいる最中に、分からない箇所で止まって、そこから先に進まないことです。
1文が取れないと、その1文を何度も読み直します。そこで時間が終わります。
読み方の癖として、いちばん直しにくいのがこれです。真面目な人ほど強く出ます。
この記事の手順が、印を付けて先に進む形になっているのは、そのためです。
分からない箇所は、答え合わせの後でまとめて処理します。読んでいる最中には処理しません。
もう1つ、指導の場でよく見るのが「設問を読み飛ばす」型です。
本文は丁寧に読むのに、設問は2秒で読んで選択肢に行きます。
この型の人は、本文が読めているのに落とすので、本人には「読めなかった」としか感じられません。
だから、間違いの分類にEの「設問の読み違い」を独立させています。
分類して初めて、本人が「本文ではなく設問で落としている」と気づきます。
私自身は30歳のとき、英検3級のところから英語をやり直しています。
そのころの読み方は、まさに1文で止まって進めない型でした。
直ったきっかけは、読む量でも単語帳でもなく、設問を解いて外した理由を数えたことでした。
当時は数えるのを手でやっていました。いまはその部分をAIに渡せます。
短縮できるのは数える作業だけで、読むところは自分でやるしかありません。そこは変わっていません。
長文読解についてよくある質問
AIが作った設問は、市販の問題集の代わりになりますか
同じものではありません。市販の問題集は設問の質が安定していて、AIの設問は素材ごとにばらつきます。
一方で、AIの設問には「自分が今日読んだ英文から作れる」という利点があります。
試験が近いなら、過去問と市販の問題集を主にして、この練習は間違いの分類だけに使う形が現実的です。
和訳は一切しなくていいですか
全文の和訳は要りません。読めなかった1文だけを訳す、という形に絞ります。
間違いの分類でBの構文が出た1文は、訳す価値があります。
その1文は、主語と動詞を自分で取ってから、AIの説明と突き合わせます。
どれくらいの長さの英文がいいですか
この記事の20分の型では、200語から400語に収めています。
200語を下回ると、指示語や論理関係の設問が作れる箇所が足りなくなります。
400語を超えると、読むだけで5分を使い切って、分類まで届きません。
長い英文を扱いたい日は、時間を20分から35分に変えて、設問数も12問に増やします。
毎日やらないと意味がないですか
毎日である必要はありません。ただし、同じ形で回した回数が7回に届くまでは、判断の材料が揃いません。
週3回なら、3週間で7回を超えます。そこで分類の内訳を1度見ます。
回数より、形を崩さないことのほうが結果につながります。
どのAIを使えばいいですか
この記事の指示文は、渡した本文の中だけで答えを作らせる形なので、特定のサービスに依存しません。
選ぶ基準を1つ挙げるなら、同じ会話を続けられること、つまり本文を1回渡したあとに「採点」だけで続けられることです。
本文を毎回貼り直す形だと、20分の中で貼り付けに時間を取られます。
料金や機能の条件は、各サービスの案内を自分で確かめてください。この記事では判断しません。
設問を英語で作らせるのと、日本語で作らせるのはどちらがいいですか
設問文は英語にしています。設問文を読む負荷も、試験では本番の一部だからです。
ただし、間違いの分類は日本語で出させます。ここは正確さが要る箇所なので、読み違えると意味がありません。
設問文の英語でつまずく回数が多いなら、それは分類Eとして記録します。
この練習だけで読む力は付きますか
この練習が扱っているのは、読み方の癖を見つけて直す部分だけです。
読む量を確保する設計は、この記事の範囲外にしています。
2つは目的が違うので、同じ枠で比べないほうが管理しやすいです。
まずは同じ形で7回。分類の内訳が出てから、次に足すものを決めてください。
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